ブックレビュー
フリー! 岡部えつ著 個性的なわき役 次々に

(双葉社・1400円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています) 喧嘩(けんか)するように会社を辞めたものの、再就職はうまくいかず、恋人とも心通わず、日本酒専門のバーで一人飲むヒロインは37歳。仕事も恋もうまくいかず今後の人生に迷う女性主人公というのは、昨今流行(はや)りのお仕事小説、生き甲斐(がい)探し小説の、定番的な設定といっていい。だからこれだけなら珍しくないし、食指も動かない。
そう思いながら読み進むと、徐々にこの物語に引き込まれていく。それは細部がいいからだ。個性的なわき役たちが次々に現れると、色彩感豊かな世界がひろがっていくのだ。静かな力がこみあげてくるラストも秀逸。前作の『パパ』もよかったが、今回も傑作だ。この作家はもっともっと大きくなる。
★★★★
(文芸評論家 北上次郎)
[日本経済新聞夕刊2016年6月9日付]
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

フリー!
著者 : 岡部 えつ
出版 : 双葉社
価格 : 1,512円 (税込み)
(双葉社・1400円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています) 喧嘩(けんか)するように会社を辞めたものの、再就職はうまくいかず、恋人とも心通わず、日本酒専門のバーで一人飲むヒロインは37歳。仕事も恋もうまくいかず今後の人生に迷う女性主人公というのは、昨今流行(はや)りのお仕事小説、生き甲斐(がい)探し小説の、定番的な設定といっていい。だからこれだけなら珍しくないし、食指も動かない。
そう思いながら読み進むと、徐々にこの物語に引き込まれていく。それは細部がいいからだ。個性的なわき役たちが次々に現れると、色彩感豊かな世界がひろがっていくのだ。静かな力がこみあげてくるラストも秀逸。前作の『パパ』もよかったが、今回も傑作だ。この作家はもっともっと大きくなる。
★★★★
(文芸評論家 北上次郎)
[日本経済新聞夕刊2016年6月9日付]
★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

フリー!
著者 : 岡部 えつ
出版 : 双葉社
価格 : 1,512円 (税込み)
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