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成田山門前町のウナギ

タレ香る癒やしの参道

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NIKKEI STYLE

真言宗・智山派の大本山のひとつで、毎年1000万人以上の参拝者が訪れる成田山新勝寺。参道沿いには江戸時代から参拝客をもてなしてきた名残で、現在も約60軒ものウナギ料理店がひしめく。伝統の味を守り続ける店もあれば、時代に合わせて柔軟な商品開発に取り組む店も。様々な味を楽しめる魅力が、国内外の来訪者をひき付ける。

◇     ◇

「さあ、焼きたてのウナギはどうですか」「今なら待ち時間無しで入れますよ」。5月半ばの土曜日。JR成田駅から成田山新勝寺に続く約800メートルの参道を歩くと、昔ながらの情緒ある街並みに香ばしい香りが漂っていた。

成田では江戸後期からウナギの提供を始めたとされる。当時は利根川など周辺に生息し、人々にとって身近な食材だった。「成田屋」の屋号で知られる歌舞伎役者の初代・市川団十郎らが熱心に成田山参拝を始め、成田山詣でが流行。江戸から徒歩で数日かけて訪れた参拝客に精を付けてもらおうと、もてなしで提供を始めたといわれる。

近江屋、ひかたや第二支店、駿河屋と名だたる老舗が並ぶなか、ひときわ人を集めるのが元祖・ウナギ専門店として1910年に創業した「川豊」本店だ。メニューはうな重や白焼き、肝吸いなどに絞り、営業終了も午後5時と早いが、整理券を配って順番待ちが出る人気ぶり。多い日には1日に1000匹もさばいて調理する。

最も人気が高いという上うな重をいただく。一口かむと、香ばしい香りと深みのある上品な味わいが口の中いっぱいに広がる。かば焼きは店頭でさばいたばかりのウナギを一度白焼きにし、創業以来継ぎ足してきた薄甘口のタレを塗って仕上げてある。コメは千葉県産コシヒカリで、タレと絡めてもべたつかないよう心持ち固めの炊きあがりだ。「ウナギ、タレ、ご飯の一体で味わってほしい」と伊藤小澄社長(45)は話す。

味を支えるのが一連の工程を手掛ける職人たちだ。50年近くウナギ一筋の江口良男板長(65)を筆頭に、20年以上修業する職人を抱える。「職人の世界では『串打ち3年、裂き8年、焼きが一生』と言われる。技術を磨き川豊でしか食べられない味を提供するのが使命だ」(伊藤社長)

◇     ◇

隣接する「菊屋」は川豊とはまた違った趣だ。江戸時代から日本料理店を営んできた菊屋ではウナギ以外のメニューも豊富で、夜は地元客や外国人客が日本酒を片手にゆったりと談笑する姿もよく目にする。

うな重は甘めのタレの味がしっかりと身に付いているのが特徴で、日本酒やビールと相性も良い。「ウナギは川魚だから『詰めの甘いタレではおいしくない』と先代から教わってきた」と女将の石橋昭子さん(66)。通常は串に刺して焼くが、菊屋では刺さずに箸で焼く。そのほうが肉厚でかみ応えのある食感になるという。コメも同じ千葉県産コシヒカリだが、こちらはふっくらと甘みが強い炊き上がりだ。

参道沿いには新しい嗜好を模索する動きも。「下田康生堂 ぱん茶屋」では長さ約15センチメートルのパンにウナギや鉄砲漬けを包み込んだ「うなぎぱん」を販売する。「興味本位でお土産に購入する人が多い」と下田真吾オーナー(44)は話す。

ウナギ店を経営していたが、稚魚の価格高騰などで一度閉店。近隣でパン屋を営む下田さんが店舗を改装し、12年に再出発した。

肝心の味はどうか。パンと一緒に食べる味わいは新感覚。柔らかい生地やタレがウナギの風味を引き立て不思議な調和を生み出す。意外と「いける」味だ。「一口食べて『ふふふ』とお客さんが笑ってくれればうれしい」(下田さん)

昨年秋に開店した土産物店「房の駅」では、かば焼きを巻きずしにした「うなぎロール」を扱う。「周辺のホテルに滞在する外国人などが購入していく」(房の駅)という。

夏本番は目前。今年は成田の参道でお気に入りのウナギ料理を探してほしい。

<マメ知識>うなぎ祭り 100店集う
 参道沿いでは毎年、夏の土用の丑(うし)の日の前後に「成田うなぎ祭り」を開催する。12回目となる今年は7月15日~8月28日に開催。周辺の土産物屋や菓子店なども含め約100店舗が参加する予定だ。
 祭りでは参加店を回るスタンプラリーを実施する。複数店舗で飲食や買い物をして一定数以上のスタンプを集めると、抽選で景品が当たる。今年の景品は現在検討中だが、昨年は旅行券やホテルの宿泊券、参加店舗の食事券などが総勢144人に当たったという。

(千葉支局 佐藤初姫)

[日本経済新聞夕刊2016年6月7日付]

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