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燃費良くする運転のコツ 発進ゆっくり、1割改善

2016/5/28付 日本経済新聞 プラスワン

このところ、ガソリンの価格は上昇傾向。暑くてエアコンを使う季節になればますます、ガソリン代が気になる。ガソリンを安く入れることに意識が向きがちだが、使う量を減らすことも大切だ。節約になるのはもちろん、環境によく、安全にもつながる。エコカーなど、燃費のいい車でも工夫によりさらに燃費を向上させることができる。エコドライブをマスターしよう。

環境省などの省庁で構成するエコドライブ普及連絡会では、燃料消費量や二酸化炭素(CO2)排出量を減らし、地球温暖化防止につなげる「エコドライブ10のすすめ」をまとめている()。燃料1リットルで何キロメートル走れるかという「燃費」を向上させるための運転技術や心がけだ。

まず発進するときは、穏やかにアクセルを踏むのが大切。加速が急なほど燃費は悪化する。ハイブリッド車などではない一般的な乗用車は特に要注意。一般財団法人省エネルギーセンターが一般道で試験したところ、通常の運転では発進時に消費されるガソリンの量は全体の34%(グラフ)。ゆったりとした発進を心掛けるだけで燃費は1割ほど改善する。発進から5秒間で時速20キロメートルに達するのが目安。ブレーキから足を離したあと、一呼吸おいてアクセルをゆっくり踏む、というイメージだ。

巡航時は、走行速度をなるべく一定に保つ。加速と減速を繰り返すと燃費は悪化する。日本自動車連盟(JAF)が高速道路で走行試験したところ、時速90キロメートルを保った場合の燃費がガソリン1リットルあたり23.4キロメートルだったのに対し、時速85~95キロメートルで緩急を付けた走行では燃費は同15.6キロメートルと悪かった。

無駄なブレーキとアクセルの操作を避けるためにも、車間距離にゆとりをもちたい。

赤信号などに備えて減速するときは早めにアクセルから足を離す。ガソリンの噴射がカットされ、燃費は2%程度改善する。下り坂でもアクセルを戻す。

時間にゆとりがないと、急加速したりしがちなので、カーナビなどで所要時間を調べ、余裕をもって出発し、渋滞も避けよう。JAF東京支部事業課交通環境係の高木孝さんは、「急発進や急ブレーキなどをやめることで事故を避けやすくなる効果もある」と話す。運転を業務とする企業が全社的にエコ運転に取り組んだところ、事故が4割減ったという例もあるという。

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駐停車時のアイドリングも避けたい。10分間のアイドリングで燃料0.13リットル程度を消費する。荷物の積み下ろしや人待ちの間はエンジンを止めよう。ただし、交差点での信号待ちの際、手動でエンジンを切るのは避けたい。エアバッグが働かず、追突などをされた際に危険だからだ(自動アイドリングストップ機能付き車種は除く)。

暑くて冷房を必要とする夏や、寒くてエンジンが暖まるまで時間がかかる冬は、春秋に比べて1割ほど燃費が落ちる。夏場は、車内にこもった熱気を外に逃がしてからエアコンを付けたり、暑い外気が車内に入らないよう内気循環にしたりするといい。車のエアコンの機能は本来、車内の冷却・除湿。エンジン熱で温める暖房時にエアコン機能は不要なので、冬場、暖房のみ必要なときは「A/C」スイッチをOFFにしよう。

運転前に準備しておくべきこともある。まず、ゴルフバッグやキャンプ用品などの荷物は、運ぶ必要のないときは車からおろすこと。100キログラムの荷物を載せていると燃費は3%程度悪化する。ルーフキャリアやルーフボックスなどの外装品は、空気抵抗が増して燃費が悪化するのでシーズンオフは外すのが望ましい。ガソリンについては、災害時などを考えると、ある程度の量をキープしておきたい。

タイヤの空気圧が適正値(マニュアルなどに記載)より不足すると、市街地では2%程度、郊外では4%程度、燃費が悪化する。エンジンオイルやオイルフィルターも交換が遅れると燃費に悪影響を及ぼすことがあるので注意しよう。

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最近は、走行時の平均燃費や瞬間燃費を表示する機能を備える車種が多いが、JAFの高木さんは、「お金の節約のために家計簿をつけるように、消費燃料の削減のためには自分の車の燃費を把握する習慣をつけるといい」と助言する。

例えば「レクーメディア」というサイトでは、給油した日時・量・金額や走行した距離などを入力すると、燃料消費量やCO2排出量の推移などを確認できる(無料)。エコ運転のためのアドバイスも表示される。携帯電話などからも入力でき、役立ちそうだ。

運転講習会に参加するのもいい。JAFが全国で展開する「エコトレーニング」(有料)では、参加者は普段どおりに運転して燃費を測定した後、講義や実技演習などを経て、改めて同じコースを運転し、燃費を測る。2007~15年度の実績で平均25.5%の改善がみられた。

市街地でもエコを意識することで1割の燃費向上は難しくないといわれる。単純計算だが、1カ月にガソリン代が5000円かかる人なら、1割削減で月500円、年間で6000円の節約になる。

例年6月には環境省の主催で「エコライフ・フェア」が開かれる(今年は4、5日に東京・渋谷の代々木公園)。エコ運転の度合いを診断するシミュレーターを無料で体験できる。

(ライター 高橋 晴美)

[日経プラスワン2016年5月28日付]

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