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ご当地ラーメンの汁、残す運動 広がる減塩の取り組み

保健所がレシピ、地域ぐるみで健康づくり

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NIKKEI STYLE

 健康意識の高まりを受け、食塩摂取量を減らす「減塩」の取り組みが広がっている。ご当地ラーメンのスープを残す運動が始まったほか、小学校の給食を減塩食にした自治体もある。世界保健機関(WHO)の目標量のほぼ2倍の食塩を摂取している日本人。地域や家庭でいかに減塩を進めたらよいのか。各地の動きをみてみよう。

山形県米沢市のご当地ラーメン「米沢らーめん」。しょうゆ味のあっさりとしたスープに細めのちぢれ麺を合わせるのが特徴で、"ソウルフード"として市民に長く愛されてきた。そんな米沢らーめんの店主らが、ゴールデンウイークから減塩運動に立ち上がった。

「うめぇげんどもスープのごすじゃぁ」。米沢弁で「おいしいのですがスープは残します」という意味だ。ラーメン店はこう書かれたプラスチック製のカードをテーブルに用意しておく。客は食べ終わって帰る際に、お盆の上にこのカードを置く。店に対し「スープを残すのは味が悪いからではなく減塩のため」と意思表示する仕組みだ。

「店が丹精込めて作ったスープを残すのはストレスがたまる」。こう話すのは米沢市の製麺業、岸製麺の牧野元社長(62)だ。牧野社長は6年前に脳梗塞で入院した経験を持つ。それ以降の食生活はがらりと変わり、好物のラーメンのスープも減塩のために残さざるを得なくなった。

そんな牧野社長に声をかけたのが、高校の先輩で米沢らーめんをこよなく愛する会社員の笹木洋一さん(64)だ。市内でラーメン店が減り続ける現状を憂いていた笹木さんは「若い人が米沢でラーメン屋をやりたいと思える環境をつくりたい」と決意。減塩運動を米沢らーめんの認知度向上に生かそうと、牧野社長とともに「米沢らーめんから始める元気なまちづくりの会」を立ち上げた。

参加店舗は現在19店。50店程度まで増やし、町ぐるみの運動に育てる考えだ。その先に見据えるのは「スープまで飲み干せる減塩ラーメン」の開発だ。笹木さんは「母親が安心して子どもに食べさせられる米沢らーめんを作りたい」と意気込む。

市全体で減塩運動に取り組む広島県呉市では、保健所が2014年に減塩メニューのレシピを作成。市立小学校では09年度から減塩給食の提供を始め、同年度に3.22グラムだった1食あたりの平均食塩摂取量は、15年度には2.45グラムまで減った。減塩運動を主導してきた内科医の日下美穂さんは「子どもの頃から薄味を舌で覚えることが大事」と強調する。

健康志向が強い消費者をターゲットに、しょうゆや味噌、即席麺など減塩商品も充実してきた。こうした企業を後押しする取り組みも広がる。

日本高血圧学会の減塩委員会は、減塩前と味が同等以上の減塩商品を認定する制度を14年に始めた。減塩食品は味気なく感じる場合も多い。企業努力で減塩と味を両立させた商品を奨励し、普及を後押しする。24社の計112商品が認定を受けている。

14年の国民健康・栄養調査結果によると、1日あたりの食塩摂取量の平均は男性で10.9グラム、女性で9.2グラムだが、厚生労働省は昨年4月、食塩摂取量の目標を見直した。男性はそれまでより1グラム少ない8グラム未満、女性は0.5グラム少ない7グラム未満とした。WHOの目標はさらに厳しく「5グラム未満」と設定している。

しょうゆや味噌が欠かせない和食を好む日本人には厳しい目標で、達成には地域ぐるみの取り組みが欠かせない。

◇     ◇

酸味や辛味足しおいしく

家庭で手軽に減塩を始めるにはどうすればいいか。医学博士で管理栄養士の本多京子さんは「"おいしく減塩"が長続きのコツ」と強調する。

減塩メニューは味気ない印象が強いが、それでは食事の満足感を得にくい。本多さんが勧めるのは酸味やうま味、辛味を足すことで、塩分を減らす方法だ。名付けて「おいしく減塩3カ条」。

最も簡単なのが酢を使う方法。塩分を強く感じさせる効果があるという。例えばギョーザのタレ。酢を加えればしょうゆを減らしても物足りなさを軽減できる。

2つ目はだしなどうま味を足す方法だ。本多さんはペットボトルの水に昆布やカツオ節を漬けた「水だし」の活用をすすめる。普段は冷蔵庫に入れておき、必要なときに取り出して使う。うま味を足せば、味噌汁の味噌や煮物に使うしょうゆの量を減らせる。

辛味や香りも有効だ。トウガラシやワサビ、ミョウガを使う。冷ややっこを食べる際、ミョウガやショウガで満足感を高め、しょうゆを減らす。

同じ調理法の献立を避けるのも大事だという。主菜が煮物なら副菜には酢の物などを選んで塩分を減らす。外食でメニューを選ぶときも同様だ。本多さんは「人間も食べ物も上手な付き合いが大事」と話す。「頻繁に付き合う親友がいれば、たまに会う悪友もいる。賢い付き合い方が"おいしく減塩"のコツです」

(安部大至)

[日本経済新聞夕刊2016年5月19日付]

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