家族でおいしい、味な工場見学 東西12カ所
迫力満点!! 腹いっぱい
食品工場見学の人気が高まっている。身近な加工食品の製造過程が見られ、試食もできる。家族で楽しめるお薦めの工場を専門家に選んでもらったところ、人気の土産や食卓でなじみのある食品の工場が上位に並んだ。
ロボットが1時間に9000個のソフトクリームを巻き上げたり、22メートルの巨大タンクで調味料が作られたり、食品工場は迫力満点で、大人も楽しめる。その場で食べるできたても買ったものと違う味わいで、舌の記憶に残る。100を超す工場を回ったという丹羽桃子さんは「旅に出るときは地域の名産品の工場見学を組み込むのがおすすめ」と話す。
見学に行くなら、まず日程を確認。多くの工場は土日が休み。修理や点検の休みもある。予約の受け付け開始後すぐに埋まる工場もあるが、秋冬は狙い目だ。対象年齢や車いす利用の制限なども調べたい。技術の宝庫である工場は進入や撮影が禁止の所もある。案内に従い堪能しよう。
お菓子作りや優雅なバラ園(札幌市)
「白い恋人」の工場を核とするテーマパークで「オリジナルスイーツも楽しめてお得」(細井隆志さん)。工場ではクッキーにチョコレートを挟む様子などが眺められる。ハート形の白い恋人などにチョコで絵を描く体験(972円から、要予約)や、スイーツが味わえるチョコレートラウンジがある。
無料ゾーンもあり、6月中旬から見ごろを迎えるバラ園や「ミニSLなど家族で一日中遊べる」(丹羽桃子さん)のが魅力だ。
(1)600円(3)地下鉄東西線宮の沢駅から徒歩7分(4)電話011・666・1481
ガリガリ君食べ放題(埼玉県本庄市)
アイスキャンディー、ガリガリ君が液体からアイスになり、箱詰めされるまで見学できる。30分間試食し放題やキャラクターのガリガリ君と写れる写真シール作製機などもあり「ガリガリ君まみれになれる」(藤井さん)。衛生管理が徹底された様子を見れば「今まで以上に安心して食べられるのでは」(木下猛統さん)。3カ月前の1日から2カ月前の20日まで予約可能(抽選)。
(2)ネットか往復はがき(3)関越自動車道「本庄児玉IC」より車で15分(4)電話0120・60・6092
人気のシューマイを1日80万個製造する。「天井を回る台車から35キログラムの肉のあんを投入する様子やシューマイを箱詰めする機械にワクワクする」(藤原徹司さん)、「できたてアツアツの試食がお楽しみ」(島袋芙貴乃さん)。3カ月前の1日から予約可能。土曜日はすぐ埋まることも。
(2)電話(3)JR新横浜駅からバスで約10分(4)電話045・472・5890
「ほんだし」「味の素」「CookDo」の3コースがある。かつお節を削る体験など「それぞれ工夫が凝らされ、子どもには貴重な学習体験となるはず」(船城さん)。(2)ネットか電話(3)京急大師線鈴木町駅から徒歩1分(4)電話0120・003・476
10メートルのオーブンの小窓から鉛筆ほどの太さの生地がうなぎパイに焼き上がる様子を見学できる。自由見学のほか、要予約のコンシェルジュ付きツアーなどがある。(3)東名高速道路「浜松西IC」より車で20分(4)電話053・482・1765
「めんたいこの説明がわかりやすく自由研究にぴったり」(中村律子さん)。できたてめんたいこのおにぎりが人気だ。(3)北関東自動車道「水戸大洗IC」から車で10分(4)電話029・219・4101
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1時間に9000本、圧巻の高速充填(広島市)
見ものは1時間に約9000本のソースを充填する高速ライン。土産に当日充填したソースがもらえる。おこのミュージアムの見学(無料)などの組み合わせで全8コース。
「広島県民のお好み焼きの聖地は見るだけではもったいない」(富本一幸さん)。お好み焼き体験(有料、要予約)は大きな鉄板(小学5年生以上)も選べ「お好み焼き屋さん気分が味わえる」(藤井みささん)。3カ月前の1日から2日前まで予約可能。
(2)インターネットか電話(3)広島電鉄井口駅から徒歩10分(4)電話082・277・7116
「ベビスタ」製造、ロボ活躍(津市)
ベビースターラーメンの製造ラインを見学できる。製品を積む工程では作業ロボット、キリンの「きっちりくん」らが働くなど「子どもが楽しめる工夫がたくさん」(加藤克志さん)。見学後は試食ができ、「できたては少し温かい」(藤井さん)。好きなおやつを袋に詰め、持ち帰れる。3カ月前から2週間前まで予約を受け付ける。個人向けは金曜15時の枠のみ。大人のみの団体は不可。
(2)ネット(3)伊勢自動車道「久居IC」より車で15分(4)電話059・293・5840
生八つ橋「おたべ」が次々とできあがる工程を見学できる。通路途中の「できたてドア」では試食ができ、市販品とは「別物かと思うほどおいしい」(丹羽さん)。あんを選んで好みのおたべを作れる手作り体験道場(600円、要予約)も「和菓子職人になった気分が味わえる」(船城英明さん)。
(3)近鉄京都線十条駅から徒歩10分(4)電話0120・828・439
「長さ25メートルのプリッツや箱詰めされたポッキーがずらり流れる様子は圧巻」(武並慎治さん)。埼玉県にもグリコピア・イーストがある。3カ月前の第1営業日から予約できる。(2)ネットか電話(3)神戸市営地下鉄西神中央駅からバス10分(4)電話078・991・3693
窓越しの見学のほか、土曜日に工場に入れる「えびせんべいの学校」(5組限定で要予約)を開く。(3)南知多道路「美浜IC」すぐ(4)電話0569・82・0248
駅弁で知られる「ますのすし」の魚をさばくところから見学できる。手作り体験(1000円、要予約)も。(3)北陸自動車道「富山IC」から車で5分(4)電話076・429・7400
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表の見方 数字は選者の評価を点数化した。企業名、工場や施設名、カッコ内は所在地。(1)工場見学の大人1人の料金。記載なしは無料(2)予約方法、記載なしは予約不要(3)主なアクセス(4)問い合わせ先。写真は企業提供。
調査の方法 見学できる食品工場(酒類を除く)のリスト(東日本32、西日本29)を作成。工場見学や親子のお出かけ情報に詳しい編集者らに、家族連れで楽しめる工場や施設を10カ所選んでもらい「工場でしか味わえない食品がある」、「半年先の予約をしても行きたい」などの観点で7位まで順位付けを依頼。編集部で集計した。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
加藤克志(公益社団法人日本観光振興協会総合調査研究所主任研究員)▽木下猛統(月刊「食品工場長」編集長)▽島袋芙貴乃(いこーよ編集部)▽武並慎治(京阪神エルマガジン社Lmaga.jp編集部)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽中村律子(クラブツーリズムバス旅行部リーダー)▽丹羽桃子(シティリビングWeb公式ブロガー)▽福元聖也(会社見学情報サイト「いるみる」管理人)▽藤井みさ(asoview!NEWS編集部)▽藤原徹司(絵本「こうじょうたんけんシリーズ」著者)▽船城英明(学研キッズネット編集長)▽細井隆志(JTB国内旅行企画本社商品企画担当マネージャー)
[日経プラスワン2016年5月14日付]
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