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街の書店、個性で勝負 人文書専門や作家が本選び

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NIKKEI STYLE

長引く出版不況の中、店の個性を打ち出した「街の本屋さん」の取り組みが目立つ。大型店とはひと味違う品ぞろえや営業形態で、地域の文化インフラを守ろうとする取り組みを追う。

札幌市の東隣に位置する北海道江別市。シャッターを下ろしたままの店も目立つ商店街に2月、「実験書店 ブックバード」がオープンした。「人文書専門書店」をうたい、古書や新刊約3000冊をそろえトークイベントも催す。

店主は、地域の読書環境の向上をめざす一般社団法人「北海道ブックシェアリング」代表理事の荒井宏明氏(52)。道内における書店の立地状況を調べた同氏によると、道内に書店のない「無書店」の市町村は全自治体の3分の1近くに上る。「地域の人はどんな本を求めていて、どんな書店ならうまくいくのか」。そう考え、荒井氏は自ら書店を構えることにした。

生活に「新鮮さ」

同市内には4つの大学があり学生ら10~20代の若者がよく訪れるが、主婦とおぼしき女性の姿もあるという。「変な本屋があると面白がって来てくれる。誰しも生活の中で『新鮮さ』を必要としており、それを提供するのが、文化的インフラである地域の書店であってもいい」と荒井氏は言う。

東京・赤坂の「双子のライオン堂」も人文・文芸書の品ぞろえが強みだが、目玉は著名な作家が薦める本を並べた「選書棚」だ。

マンションの一室を改装した約15平方メートルの売り場には全面、選書棚が並ぶ。昨年10月、文京区で週2日の営業だった「実験店」から移転し選者を増やした。店には会社員のほか、子連れの女性も訪れるという。

「選書専門」にしたのは、作家志望だった店主の竹田信弥氏(29)が「プロの本棚を見てみたい」と思ったのがきっかけだ。大学時代の恩師で文芸評論家の山城むつみ氏、作家の辻原登氏、ライフネット生命会長の出口治明氏ら幅広い選者に依頼。29人が選んだ約3000冊が棚に並ぶ。竹田氏は「書店はお守りのような場所。役に立たない時もあるし、人生の転機となる本と出合うこともある」と存在意義を強調する。

「街の本屋」に魅力を感じて大型書店から転身した店主もいる。リブロ池袋本店で統括マネジャーを務めた辻山良雄氏(43)は今年1月、東京・杉並の幹線道路沿いに新刊書店「Title(タイトル)」を開いた。住宅街が近く、せいた客は少ない。古民家を改装した店内には落ち着いた雰囲気が漂う。喫茶スペースも設けた。本のジャンルはあえて絞り込まなかった。

「一通りの本がそろう、昔ながらの書店をイメージした。商売人として普通のことがしたい。ここならお客さんとの距離が近く、気軽に本を薦めることもできる」と辻山氏。とはいえ、「積極的に来店を促す仕掛けがないと書店経営は厳しい」(同氏)。同店でもホームページ上で推薦書を毎日更新したりギャラリースペースで作家の作品展を開いたりと工夫は怠らない。

地元の情報提供

「地域ごとに書店に求められるものは違う」。こう話すのは、大阪・千里ニュータウンにある「笹部書店」の店主、笹部勝彦氏(44)だ。地域の特性を見極めて客層を絞り、書棚には児童書や女性誌が目立つ。店の中央に喫茶スペースを据え、人気店から仕入れたパンの販売も手がける。

9年前に改装した際、書店に期待する点を地域住民に聞き取りした。「集まる場所がない」「ランチをとる場所がない」との声を受け「それなら、全部まとめて、うちの店でやってやろう」(笹部氏)と決めた。読み聞かせなどのイベントを開いたり、子育てに関するチラシを置いたりすることで、地域の人々が耳寄りな情報を探しに書店に立ち寄ってくれるという。

出版社「アルメディア」(東京・豊島)の調べによると、全国の書店数は2015年時点で1万3488店で、00年に比べて4割近く減っている。情報メディアの多様化や人口減少の流れもあって、書店経営の先行きは見通せない。それでも「もっといい本を紹介したい」(辻山氏)という書物への愛情に支えられた店主たちの奮闘は続く。

(文化部 岸田将幸)

[日本経済新聞夕刊2016年5月9日付]

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