オリパラ

オリパラSelect

インバウンド100万人誘致 埼玉県が観光施策まとめ

2016/10/29付 日本経済新聞 地域経済

昨年度から外国人に交流サイト(SNS)発信や助言をしてもらうモニターツアーを実施している(埼玉県長瀞町)

埼玉県は2017年度から5年間の観光施策の案をまとめた。県外からの宿泊客数を21年に年間延べ387万人と15年比28%増やすなど6項目の数値目標を設定。20年の東京五輪・パラリンピック開催を控え、インバウンド(訪日外国人客)誘致と、訪問客のうち1.2%にとどまる宿泊者の上積みに力を入れる。安くて手軽な日帰り旅行圏というイメージを脱し、周遊や宿泊をしても楽しめる地域としてPRして観光客を呼ぶ。

計画案の名称は「第2期埼玉県観光づくり基本計画」。「知ってもらって、来てもらって、楽しんでもらえる観光立県 埼玉」を理念とした。基本方針として、(1)五輪・パラリンピックを契機とした外国人観光客100万人の誘致(2)多彩な観光資源による個性豊かな観光地の形成(3)SAITAMAブランドの確立による経済の活性化、の3つを挙げた。

県が観光の周遊ルートとして育成するのが「SAITAMAプラチナルート」。川越で歴史と文化に触れ、秩父で温泉と宿泊、翌日に長瀞で川下りを楽しんでもらう。小川町の名産品でユネスコ無形文化遺産の細川紙などを核とした周遊ルートも国内外でPRする。

主人公が春日部市に住む設定になっている「クレヨンしんちゃん」などご当地アニメを生かしたイベントを開き、「アニメの聖地」としても印象づける。県産品のブランド化も市町村や民間と連携して進める。

県の15年の観光入り込み客数は約1億296万4000人。16年9月時点で調査結果を公表している29都道県のなかでは東京に次ぐ2位だ。ただ、宿泊した人の割合は1.2%と最下位で、98.8%は日帰りしている。

県観光課は「(12年度から5年間の)第1期計画では日帰り、宿泊を問わず観光客を増やすことを目標にした」としたうえで「第2期計画では宿泊してもらい、観光消費額を上げる取り組みにシフトする」と説明する。

21年の目標値では、外国人観光客は15年の28万人のほぼ3倍、100万人に設定した。国内・海外を合わせた年間延べ宿泊者数は、15年の303万人から387万人へ84万人増やす。東京五輪が開かれる20年までに毎年5%ずつ増やして20年には達成させたい考えだ。

経済活性化の効果を測るため、県外からの観光客の消費額も目標値として設定した。1人当たり観光消費額について、宿泊客は15年比39%増の2万3400円に、日帰り客は43%増の5800円に引き上げるとした。

県は計画案に対する県民の意見を11日まで募集、県議会12月定例会の委員会で報告した上で、来年3月の策定を目指す。全国の都道府県が観光誘客を競う中で、PR戦略の工夫や独自性のある観光地・特産品作りができるかがポイントになる。

オリパラ 新着記事

ALL CHANNEL