都心のインバウンド消費、バスなどで近郊観光地へ誘導自然豊かな地域へ、新たな魅力訴求 河口湖行き増便

富士五湖周辺はバス旅行客でにぎわう(山梨県富士河口湖町の河口湖駅)
富士五湖周辺はバス旅行客でにぎわう (山梨県富士河口湖町の河口湖駅)

バスなど交通各社が東京都内を訪れる訪日外国人観光客(インバウンド)を日帰りで都心近郊に誘導しようと、関連路線の増便や新たなツアー商品の投入に乗り出した。都心で観光や買い物を楽しむ訪日客に周辺地域にも足を運んでもらうことで、収益拡大を目指す。訪日客にとっては東京に近い地域で気軽に自然に触れ合うなど、新たな魅力の発見にもつながりそうだ。

京王電鉄、富士急行、東京急行電鉄は系列バス会社を通じて11月1日から、高速バスの渋谷―河口湖線(片道運賃1800円など)を増便した。従来に比べ1日3往復増やし、12往復にした。

富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)や富士五湖周辺など山梨県内の観光スポットにアクセスしやすくした。訪日客に人気の富士山を手軽に一望できる点を売り込む。

タクシー大手の日本交通は富士急と組み、1日貸し切りで都内と富士山周辺を往復するツアー商品「富士山1DAYタクシー」を10月に投入した。訪日客向けに、外国語での対応が可能な運転手を用意。ホテルや駅など指定場所に送迎する。4人利用の場合の1人当たり料金(昼食付きで高速料金は除く)は2万8800円。

貸し切りの観光タクシーは日の丸交通(東京・文京)も「デイトリップタクシー」の名称でサービスを提供している。箱根や日光など6コースを取りそろえた。4人利用の1人当たり料金は1万5000~2万円程度に設定している。

小田急電鉄は大型バスターミナル「バスタ新宿」を出発し、商業施設「御殿場プレミアム・アウトレット」(静岡県御殿場市)に向かうバス(片道運賃1650円)の運行を1日から始めた。1日2便で、ともに午前発。夕方まで買い物を楽しみ、その日のうちに都内に戻れる。

訪日客の買い物はこれまで都心の百貨店や家電量販店が中心だったが、「最近は郊外のアウトレットモールなどにも足を運びたいという需要が高まっている」(小田急)という。

[日本経済新聞2016年11月9日付朝刊]

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