日本の「成長の実力」高めるには

「日本の人口が減ると、成長の実力も下がってしまうのかねえ」。神田のご隠居、古石鉄之介が、心配顔でつぶやいた。「成長の実力といえば潜在成長率ですね。どうしたら高められるのかしら」。興味を持った探偵、深津明日香は調査に出かけた。

技術開発、新たな投資促す

まず内閣府を訪ねた。参事官補佐の大沼和善さん(35)は「人々が工場の設備や情報技術(IT)などを使って付加価値を生み出すことで、経済は成長します。潜在成長率は働き手(労働)、使われた設備(資本)、付加価値を生む効率の良さ(生産性)の3本柱で測っています」。人と設備が大体どの程度の付加価値を生む基礎体力があるかを「潜在GDP」で表し、その成長力を潜在成長率という。

内閣府は2014年4~6月期の潜在成長率を年率0.6%と推計するが、大沼さんは「景気の好不調の波をならせばどのくらいのペースで成長できそうかを測る指標なので、幅を持って見てください」と言う。推計方法が違えば結果も異なり、経済協力開発機構(OECD)によれば14年の日本の潜在成長率は0.8%。日銀の黒田東彦総裁は10月の講演で「0.5%前後と推計される」と話した。