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重病の子に「第二の家」 小児ホスピスで充実の時を

2014/10/10 日本経済新聞 夕刊

 重い病気や障害を抱えた子供を受け入れる施設の開設が相次いでいる。英国で誕生した「小児ホスピス」の日本版で、限られた時間を家族と一緒に過ごしたり、子供を一時的に預かって家族を休息させたりするのが狙い。病院とは違い、医療専門職に支えられながら遊びや学びを楽しむ。「『ホスピス=死』のイメージを払拭し、充実した生の時間を送ってもらう施設」と関係者は話す。

■「第二の家」に

 淀川キリスト教病院(大阪市東淀川区)は2012年、区内に小児ホスピス「淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院」を開設した。これ以上治療ができないと宣告された小児がん患者が緩和ケアを受ける6床と、家族のレスパイト(休息)のための6床の計12床。約1週間を上限に利用できるレスパイト病床には現在約170人が登録、新規入院は約1カ月待ちの状態という。

子供が不安を感じないように配慮した淀川キリスト教病院の小児ホスピス(大阪市東淀川区)

 コンセプトは「第二の家」。大きな窓から光が入る設計にしたのは、「死を迎える暗い場所ではなく、患者本人が充実した生活を送れ、家族を最大限応援できる明るい施設にしたかったから」と鍋谷まこと院長。柔らかい光を発する病室前の和紙製ライトシェードには、キャラクターや動物があしらわれている。

 「子を亡くした後の両親のケアも大切」(鍋谷院長)との考えから、年に一度、遺族が写真や思い出の品を持ち寄って亡き子をしのぶ「家族会」を開く。「両親が受け入れにくい子供の死を一緒に乗り越えていく」(同院長)ためだ。

 大阪市立総合医療センター(大阪市)は12年9月、日本初の小児専用緩和ケア病室「ユニバーサル・ワンダー・ルーム」を院内に設けた。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(同市)を運営するユー・エス・ジェイの寄付で緩和ケア病棟の一室約40平方メートルを改装。壁やベッドにカラフルなキャラクターが描かれ、遊園地のような雰囲気。家族も一緒に寝泊まりできる。

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