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エコノ探偵団

交際費、非課税枠拡大したが…

2014/10/8 日本経済新聞 朝刊

「企業が接待費を使いやすくなったって?」。神田のご隠居、古石鉄之介が事務所に来た。「夜の街がにぎわって景気も良くなるかい?」。所長は「飲みに出ないので分かりませんねえ」。夫人の円子を気にしつつ探偵の松田章司に調査を命じた。

■企業節約、景気に効果薄く

章司が新聞記事を読み返すと、企業経営の経験がある麻生太郎財務相が旗を振り、2013年度から中小企業が接待などで使う交際費の非課税枠を広げたことが分かった。税務上、人件費や原材料費などと同じ「損金」として扱える範囲を、従来の「交際費の9割を600万円まで」から「全額、800万円まで」に拡大したという。

損金は法人税を計算するとき収益からコストとして差し引けるため、枠が広がると課税対象となる所得が減って税負担が軽くなる。14年度からは、資本金1億円超の大企業でも飲食費の50%まで損金算入できるようにした。消費を促し、景気回復への効果を期待したものだ。

「企業の負担は全体でどれだけ減るんだろう」。財務省主税局に問い合わせると、「13年度で350億円、今年度430億円の減収を見込んでいます」(担当者)。

企業の期待も大きい。大阪商工会議所は、昨年まとめた14年度の税制改正要望に「中小法人の交際費の損金算入特例の拡充・延長」を盛り込んだ。経済産業部部長の近藤博宣さん(52)は「飲食店から強い要望があり、一部のオーナー経営者からも『認められたらもっとお金を使う』との声が寄せられた」という。

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