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めざせ職場のほめ上手 「おしゃれ」も要注意

2014/10/2 日本経済新聞 夕刊

仕事を高く評価されるのは誰でもうれしいもの。とはいえ、むやみにほめても気持ちがうまく伝わらなかったり、相手が失礼だと感じたりすることがある。特に職場では相手や周囲の人間関係も配慮しながら、言葉や表現を選ぶのが鉄則だ。職場で失敗しないほめ方を考えた。

東京都内の雑貨店に勤務するA子さん。上司の仕事の手際にいつも感心しているが、そのことを言葉で伝えるのはためらってしまう。「経験豊富な先輩をほめるのは失礼」と思うからだ。

その判断は間違いではない。ほめるという行為は相手を評価すること。上司や年上の人をほめるのは失礼にあたる。

とはいえ、称賛する気持ちは伝えたいもの。言葉を選べば、相手を不快にさせず気持ちを伝えられる。

「一つの方法は感謝の言葉に言い換えること」と助言するのは、オールアバウト「手紙の書き方」のガイドで敬語講師の井上明美さん。たとえば、上司に何かを指導してもらったとき、「お上手ですね」と言うのは上司を評価しているようで失礼だろう。「分かりやすく教えていただき、初めて理解できました」と、自分の感想に言い換えれば、教え方が上手だと伝えることになる。

「相手が目上の場合は、驚きや感動など自分の気持ちを述べる方が礼を欠く心配がない」と井上さんは説明する。

■関係把握が第一

もちろん、相手が上司や年長者でなくても配慮は必要。「ほめるとき、まず大事なのは相手と信頼関係がつくられているかどうか」と話すのは、企業や組織の人材開発を支援するコーチ・エィ(東京・千代田)のエグゼクティブ・コーチ、長田祐典さんだ。

長田さんは以前、ある銀行の女性行員たちに「髪を切ったとき、上司に気付いたことを言ってほしいか」をきいてみた。すると7割が「言ってほしい」と答える一方で、残りの3割は「人による」と答えたという。つまり同じようにほめても、相手との関係により受け止められ方は変わる。

さらに「人によって喜ぶほめ方が異なることにも注意したい」(長田さん)。「すごい」「最高」などと抽象的かつ最上級の表現を喜ぶ人もいれば、「助かったよ」などの共感を示す言葉を喜ぶタイプもいる。

では、どうすればよいか。まず知っておきたいのはどんな関係の相手にも使える言葉。相手の存在を認める表現だろう。

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