シミががん化も 見逃すな、皮膚からの警告

皮膚疾患の多くには外見で判断可能なサインがある。正しい知識を身につけて重い病気を見逃さないようにしよう。さらに、皮膚の健康に関する基本的な情報を家族で共有すれば、疾患の早期発見につなげることができると専門家はアドバイスする。

海や山で遊んだ夏休みの置き土産が日焼け。シミなどの原因になるほか、皮膚がんなど命にかかわる病気につながることもある。東京慈恵会医科大学客員教授で、ひふのクリニック人形町(東京都中央区)院長の上出良一さんは「とくに色白で紫外線に弱いタイプの人は皮膚のダメージも大きい」と話す。皮膚が黒くならずに赤く腫れる人は典型的なタイプだが、一見真っ黒なようでも水着の下は真っ白という人なども要注意だという。

上出さんは「皮膚がんの罹患(りかん)率が高い欧米では、セルフチェックなどの知識が普及しているが、日本で関心を持つ人はまだ少ない」と話す。どんなサインをチェックすればいいのか。

■日焼けも原因

皮膚がんの3つのタイプのうち、罹患率は低いが悪性度が高いのはメラノーマ(悪性黒色腫)だ。日本人では、発症しても日焼けとは無関係で足にできるタイプが多かったというが、最近では日焼けが原因の例も報告されるようになった。

メラノーマには、左右非対称で境界の不鮮明な黒いシミが広がるなど、病理学的な特徴がある。上出さんは「重要なことは、大きさが直径6ミリ以上になると完治しくくなること」と話す。

目安になるのが鉛筆。軸の太さがほぼ6ミリで、気になるシミに断面を当てる。もし断面より大きくなるようなら、皮膚科を受診するといい。

次に危険性の高いタイプは有棘(ゆうきょく)細胞がんだが、このがんには一歩手前の状態である日光角化症がある。紅色のまだらなシミのような症状が、高齢者の顔面などに現れることが多い。初期の段階で、他のシミなどと区別するきっかけになるのが表面の触感だ。上出さんは「指の腹で触って紙やすりのような刺激を感じたら日光角化症を疑う」と話す。

3つめは、基底細胞がんだ。光沢のあるホクロが大きくなり、その中央が陥没して潰瘍を起こしたり、出血したりするようならすぐに皮膚科に見せよう。前述の2つのタイプと比較して転移しないので、この段階で手術して摘出すれば完治することが多いという。

いずれのタイプでも背中などに症状が出ると、自分では見えない。発見が遅れないようにするには、家族に見てもらうのが有効だ。

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