2014/9/19

暮らしの知恵

過去帳によると、戸籍にあった曽祖父の父は明治13年に死去。そしてその人は前戸主と記された人の長男とわかった。つまり、曽祖父は2歳の時に父を、翌年3歳で前戸主だった祖父も亡くして家を相続したわけだ。

さらに遡れないかと思ったが、住職によれば「200年ほど前の文化・文政のころに寺が一度焼けて過去帳はその後からしか残っていない」。市内の図書館に電話して調べてもらったが、宗門人別帳などは見つからなかった。

ただ祖先の住まいが鍛冶の盛んな地域だったことは間違いないようだ。地元には専門の資料館まであり、館長によれば、鍛冶屋には専門があり、刀なら刀、のこぎりならのこぎりを作っていたという。曽祖父の地区には同じ名字でノミを作っている家があった。

3週間をかけたルーツ探しはここまで。日本の家制度や地名の変遷を知るのは楽しかった。幼くして家を継いだ曽祖父やその家族がどんな生き方をしたのか。それぞれの名前を記しながら思いを巡らせるのは不思議な体験だった。

古い地名を探すのに辞典なども活用した(写真左)表計算ソフトは当初は難しく思うが、慣れればスムーズに
記者のつぶやき
■親族のつながり再確認
 集めた情報をもとに家系図も作ってみた。作成の方法やポイントは表にまとめたので参考にしてほしい。手書きには手づくりの良さもあるが、表計算ソフトを使えば情報の追加も簡単。専用の家系図作成ソフトなら、写真や関連情報なども豊富に盛り込める。
 家系図ソフト開発を手がける横浜クリエイション(横浜市)の岩本卓也さんは「家系図を、親族のつながりを見直し、今を生きる人のために役立ててほしい」と話す。たしかに家系図作りを進めるうちに、自分の先祖に対する感謝の気持ちがわいてきた。とはいえ、今年のお盆も墓参りには行っていない。すみません、ご先祖様。
(高田哲生)

[日経プラスワン2014年9月13日付]

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