曽祖父の名知ってる? 「自分のルーツ」たどる法

2014/9/19

暮らしの知恵

空き家の増加が大きく取り上げられ、来年には相続税の改正が控える。今年の夏は家や親子関係について考えた人も多かったのではないだろうか。思えば記者(40)はひいおじいさん(曽祖父)の名前も知らない。自分のルーツをたどることで何がわかるのか。

最初に家族に話を聞いた。父(72)によると、大阪で書店を営んでいた祖父は記者が2歳の時に亡くなった。名前は知っているが記憶はない。曽祖父は「嶋三郎」だという。初めて耳にした名前は娘(2)の通信講座のキャラクターに似て、親しみを感じた。

曽祖父は父が生まれる20年以上前に亡くなっていた。父は祖父から昔の話を詳しく聞いていなかったが、鍛冶屋の家系だったと教えられたことがあるそうだ。曽祖父の戸籍を調べるところからルーツ探しを始めた。

日本で戸籍制度ができたのは明治5(1872)年。閲覧できる最古の戸籍は明治19年作成のもの。戸籍には両親の名前や転籍の記録があり、順に先祖をたどれる。古い戸籍も役場の窓口のほか郵送で入手できる。

必要なのは申請書類や免許証などの本人が確認できるもの。手数料は戸籍謄本が一通450円、除籍謄本が同750円で、郵送だと定額小為替証書を申込時に同封する。

申請書など一式を送ってから4日後、「除籍謄本」の写しが返信用封筒で送り返されてきた。除籍謄本は全員が死亡したり転籍したりして今は空になった戸籍だ。

■書類の保管状況 自治体ごとに差

2010年まで、戸籍の保存義務期間は除籍簿となった翌年から80年だった。10年に150年に延長されたが、市町村合併を機に一部を破棄した自治体もある。「よくぞ残っていてくれた」とほっとした。

除籍謄本には戸主の嶋三郎(曽祖父)を筆頭に、実子だけでなく、姉やめいなども含めて約20人の名前があった。曽祖父の母は「安政」の生まれ。意外に簡単に江戸時代までたどり着けた。曽祖父が戸主になったのは明治14(1881)年で当時3歳。ただ、前戸主の名前は曽祖父の父親と違う。曽祖父の父はなぜ戸主ではなかったのだろうか。

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