知らない間に屋内に侵入し、死骸がホコリに混ざっている。ゴキブリは、小さなチャバネゴキブリがアレルギーに関係する。「アレルギー性鼻炎の患者を対象にした全国調査によると、蛾がアレルゲンになる人は約3人に1人。ゴキブリやユスリカの場合は15%前後で、ブタクサと同じくらいの割合だった。9月から2月に症状が強く出やすい」と大久保さん。

ペットの唾液がついた毛やフケも、アレルゲンになる。これも乾燥が始まる秋から増えやすい。

打つ手は、やはりこまめな掃除だ。1畳当たり30秒以上の掃除機がけを週に2回以上。ハウスダストは四隅にたまりやすいので、隅も忘れずに。フローリングなら拭き掃除がいい。「多頻度の掃除が難しければ、せめて長時間過ごす布団の掃除機がけを徹底して。布団はダニの温床になりやすい」(大久保さん)

秋特有の天候もぜんそくを悪化させる。寒暖の差が大きく、晴れたり雨が降ったりと天気も変わりやすい。「気温や気圧の変動がよくない。台風などの低気圧や冷たい空気も刺激になる」と佐野さん。

■継続的に治療を

ぜんそくの人は気道が過敏なので、タバコの煙や香水、殺虫剤、クーラーの冷気、風邪、過労、ストレスなども症状悪化の引き金になる。ぜんそくと診断されてもきちんと治療していない人の多くが秋になって外来を訪れるという。佐野さんは「日ごろから吸入ステロイド薬で気管支の炎症を抑えておくと、気道が鈍感になり、季節の変わり目でも症状が出にくい」とアドバイスする。

今は症状が出ていない人でも、医療機関などの検査によって何に反応しやすいかわかる。秋のアレルギーは原因が多様。事前にアレルゲンを把握しておけば発症を防ぐことにも役立ちそうだ。

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舌下免疫療法使いやすく

スギ花粉症の新しい治療法として「舌下免疫療法」に、この10月から健康保険が適用になる。これは少量のスギ花粉を毎日摂取して体を慣らし、アレルギー反応を弱める治療。舌の下に直接、スギ花粉のエキスを滴下し、2分間ためたあと、飲み込む。いわばなめて治す方法だ。

この治療法を日本で開発した大久保さんは、「2年以上続けると7割の人で症状が軽くなる。中には完全に治った人もいる」と話す。この秋から始めれば来年のスギ花粉症もある程度軽くなる可能性がある。耳鼻咽喉科やアレルギー科、小児科など、この療法に関する講習を修了した医師のもとで治療を受けられる。

(ライター 佐田 節子)

[日経プラスワン2014年9月6日付]

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