雑草の花粉が舞う季節 アレルギー、秋もご用心

厳しい残暑の後には、気持ちのいい秋がやってくる。ただ、アレルギーが増える季節でもある。風邪でもないのに鼻水やくしゃみが出たり、せきが出て息苦しくなったりする人は、花粉やハウスダストなどに反応している可能性がある。

花粉症と言うと、春のスギ花粉が有名だが、秋にもアレルギーの原因になる花粉が増える。その代表が、ブタクサやヨモギ、イネ科の雑草だ。これらは9月から11月にかけて花粉を飛ばす。

日本医科大学(東京都文京区)耳鼻咽喉科学講座主任教授の大久保公裕さんは、「秋には雑草の花粉が多い。スギ花粉のような樹木の花粉は風に乗って広範囲に舞い落ちるが、雑草は背丈が低いので遠くまで飛ばない。草の近くで局所的に花粉が多くなる」と話す。

■土手や河川敷に

ブタクサやヨモギは、道ばたや土手、河川敷、野山など身近な場所に生育する。イネ科の雑草は種類が多く、最近増えているのがバミューダグラスなどの芝草。ゴルフ場や公園などに植えられている。そこで鼻水などが止まらなくなるようなら、これらの花粉に反応している可能性が大だ。

「草は背丈が低いぶん、花粉を吸いこんだり、体に付着したりする確率が高い。その場所で運動したりすると、落下していた花粉まで舞い上がって多量の花粉を吸いこみ、余計に症状がひどくなる」(大久保さん)

スギ花粉も秋に飛ぶことがある。夏につくられた花芽が多すぎると、冬眠前に一部飛散する。この量が多いと、翌春の飛散量も増えるといわれる。「この夏、猛暑だった東日本では10月にもある程度飛ぶかもしれない」と大久保さんは予測する。

対策は、花粉のある場所に近づかないのが一番。それが難しいなら、マスクや眼鏡で防御を。症状がつらい場合は、抗ヒスタミン薬など花粉症を抑える薬を使う。「まずは市販薬で様子をみてもいい。それでも改善しないなら、医療機関で治療を」と大久保さん。

秋は室内のハウスダストにも要注意だ。夏場に繁殖したダニが、秋になって死骸になる。これが乾燥して粉々になり、ホコリと一緒に屋内を舞う。吸い込むと、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎の原因になることがある。

アレルギー疾患に詳しい佐野虎ノ門クリニック(東京都港区)院長の佐野靖之さんは「10月ごろになると、ぜんそくの外来患者が通常の約2倍に増える」と話す。ダニはぜんそくの代表的なアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)だが、「ゴキブリや蛾(が)、ユスリカなどの昆虫の死骸も原因になることがある。これらも秋に増える」(佐野さん)。

次のページ
舌下免疫療法使いやすく
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント