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エコノ探偵団

法人減税、得するのは誰 国、企業、家計?

2014/8/20 日本経済新聞 朝刊

「法人税の税率が下がるそうね」。近所の主婦が事務所に来て不満を漏らした。「不公平だわ。消費税は上げて企業の負担は減らすなんて」。「な、何か裏があるのかもしれませんね」。探偵の松田章司が調査に乗り出した。

■企業に活力 家計にも還流

「国の借金が膨らんで消費税も上げたばかり。なぜ企業の税金は減らすのですか」。財務省の税制第三課で担当者に疑問をぶつけると、「少し誤解があるようですね。税収を減らしていいとは考えていませんよ」と謎のような言葉。章司が首をかしげると、担当者は「そもそも法人税を納めているのは企業の3割程度なのです」と説明を始めた。

企業の約7割は赤字で法人税を払っていない。米国、英国、韓国などでは約5割の企業が税金を納めているそうだ。ところが「日本企業の納税総額を国内総生産(GDP)比でみると約3%で、法人税率が日本より低い英国や韓国と同じレベルです」と担当者。一部に偏った負担構造なので、政府や与党は国と地方を合わせて約35%の税率を20%台に下げ、広く薄く課税する改革案を議論している。

「そもそも、どうして法人減税の話が浮上したんだっけ」。日本税理士会連合会を訪ねると、理事の永橋利志さん(52)が「情報通信の発達などで、国を超えた取引が容易になったことが影響しています」と説明した。

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