ゴシゴシ洗いはNG 頭臭対策に潜む落とし穴

夏の盛りは、汗とともに、においに敏感になりがち。その源は体のあちらこちらにあるが、見落としやすいのが頭。整髪や洗髪などの日常のみだしなみがかえって、においの原因になることも多いという。そんな「落とし穴」を探った。

バス通勤の会社員A子さん(30歳)は、満員の車内でバスが揺れるたびに近づく男性の頭のにおいに困っているという。狭く閉鎖された空間はにおいがたまりやすい。

■皮脂などが酸化

自然食品と化粧品の開発や販売を手掛け、頭髪美容にも詳しいTAC21(神奈川県逗子市)の田耕邦子さんによると、「この時期の不快なにおいに多いのが、整髪料と頭皮の皮脂が混ざりあって毛穴を塞いだり、細菌と結びついて酸化したりして発生したもの」。身だしなみのつもりの整髪料が、悪臭の発生源になる例がみられるという。

では、香りの強すぎる整髪料をやめれば解決するのかというと、「単一の方法で消臭できるものではない」と、体臭や汗の治療を専門にしている五味クリニック(東京都新宿区)院長の五味常明さん。

頭のにおいは、大きく分けて2種類。一つは空中に浮遊するにおい物質(たばこの煙や排ガスなど)を毛髪が吸収・吸着することで発生する「頭髪臭」。もうひとつは過剰なフケや皮脂、皮膚炎などが原因で発生する「頭皮臭」。古い油のようなにおいを発する。

「頭臭は、髪の内と外の両側からのにおいを吸い込み濃縮して発生する」(五味さん)という。だから、洗髪を頻繁にしても解決せず、むしろ逆効果。においが強まることも少なくない。

洗髪の回数は、1日1回にとどめるのが望ましい。田耕さんは「髪や地肌の保護からいうと、2、3日に1回の洗髪で十分」。出かけ前の朝と帰宅後の夜の2回洗髪するという人もいるが、五味さんは「健康な頭皮に存在する表皮ブドウ球菌などの善玉常在菌を減らし、健康な皮脂膜まで破壊してフケやにおいを増やす原因になる」と説く。

健康な頭皮を覆い保護する皮脂膜は皮脂と汗が混ざり合うことで作られ、そこに常在菌がすむ。脱脂力の強い洗浄剤を頻繁に使うと常在菌は減り、皮脂不足を補うために皮脂は過剰分泌される。その結果、皮脂が毛根周辺で詰まって酸化し、吹き出物やフケの原因になる。古くなった皮脂は雑菌が繁殖しやすく、においも強まる。

高校時代から頭や髪の臭いで悩んでいた大学生のBさん(20歳)の場合は、1日朝晩2回の洗髪習慣を2日に1回に変えたところ、においが気にならなくなったという。

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