職場の飲み会 認められる幹事の心得とは

店選びでは女性への気遣いを忘れないようにしたい。靴を脱いで上がる座敷で飲むのなら、前日までに「リラックスできるお座敷です」などと連絡しておくのがマナー。知らずにスカートで出勤した女性は足が気になってくつろげないからだ。ビジネスマナーに詳しい美月あきこさんは「ひざ掛けを貸してくれる店もあるので、事前に確認しておくといい」と助言する。

とりわけ冬はブーツを脱いだり履いたりするのが面倒なうえ、「脱いだブーツからむれたニオイがするのでは…」と心配する人もいる。女性が多いなら、座敷はあまり勧められない。

トイレは男女別であることが最低条件。トイレから出たところで順番待ちの男性と顔を合わせると、とても気まずい。飲み会に詳しいリクルートライフスタイルの営業部長、有木真理さん(39)は「女性トイレに自由に使えるあぶらとり紙、綿棒、コットンなどが常備されていればなおいい」という。

■会費は5000円が目安

料理はコースで頼んでおきたいところ。店が忙しい週末などにアラカルトで注文すると料理が出るまで時間がかかりがちだし、予算管理がしにくいからだ。お酒が飲めない人が損をした気分にならないよう、飲み放題のソフトドリンクの種類が多い店がよいだろう。

飲み会の会費はそれぞれの職場で相場があるが、目安として高くても1人5000円までに抑えたい。新生銀行の調査によると、サラリーマンの飲み代は月8459円、1回当たり3483円が平均。職場の飲み会は「仕事の延長」という意識があるだけに、会費が5000円を超えると懐が痛みそうだ。

会費はどう集めたらいいか。店での会計時に現金を集めるのは、お釣りのやり取りなどが大変なので避けたい。美月さんは「事前徴収がベター。ドタキャンも防げる」という。ただ、職場のトップから新人まで一律の会費にはしにくい。誰からいくらもらうか、事前に配分する難しさはある。

「課長、昨日はありがとうございました。ところで会計なんですが…」。大手証券勤務の立花雅彦さん(仮名、27)は飲み会の翌朝、領収書を見せながら課長に耳打ちする。「ご苦労さん。これでいいかな?」と課長から渡されるのは決まって1万円札だ。

次に立花さんは「課長から1万円頂いたんですが…」と、その下の上司のところも回り、残りのメンバーからは一律の会費を徴収する。事前徴収に比べて面倒だが、肩書による会費の配分は課長らが自分で決めてくれるので幹事は悩まなくてもいいわけだ。

全国に約300人の部下を抱える有木さんは「飲み会の幹事ができる人は仕事もできる」と指摘する。日程調整、店選びといった段取りから、参加者への気遣いまで、楽しい飲み会を演出できる名幹事は上司の目にも留まる。自分を積極的にアピールできるチャンスととらえて前向きに取り組みたい。

[日本経済新聞夕刊2014年8月4日付]

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