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エコノ探偵団

若者の飲酒、実は増えている?

2014/7/30 日本経済新聞 朝刊

 「ビールのおいしい季節ですが、会社帰りに一杯やらない若手が増えましたね」。会社員の話に探偵、深津明日香が反応した。「若者の酒離れが指摘されますが、私も友人も日本酒、ワイン何でも飲めます。実態はどうでしょう」と調査に出た。

■職場飲み 会社お膳立て

 明日香はまず、厚生労働省の統計を調べた。同省は日本酒換算で1日1合(ビール中瓶1本)以上を1週間に3日以上飲む人を飲酒習慣者と定義し、調査している。飲酒習慣者の割合は2003年の21%から12年には20%へと微減だった。よく見ると男性は20~50代で割合が減り、女性は40代以上で増えていた。

 ところが国税庁の統計をみると、酒類消費量は増えていた。1996年度の965万キロリットルをピークに減少傾向だが、12年度は853万キロリットルと3年ぶりに増加。総務省の調査では13年に2人以上世帯で家飲みと外飲みの支出がともに増え、単身世帯では支出総額が34歳以下の男性で08年以来の水準に回復、34歳以下の女性は過去最高額となった。

 酒類総合研究所の09年の調査では「誰と一緒に飲むか」を重視する人は5割近くに達し、20代では6割を超えた。「友人や仲間との飲み会は多いのかしら」

 東京都渋谷区。明日香が訪ねたのは、5月にオープンしたビアガーデン「一番搾りガーデン」。友人と来た会社員、小森正樹さん(22)は「飲酒は週1~2回ですが、普段は会社の人と飲みません。職場が飲む雰囲気でなく、仕事のあと職場の関係が続くのも遠慮したい」と話した。会社の飲み会は月1回という女性会社員(31)も「オンとオフは分けたい」という。

 一方、「アベノミクスによる景気回復で職場の飲み会も増える傾向にあります」と話すのは、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、嶌峰義清さん(48)。「経済活動が活発になると職場では商談成立を祝う飲み会が増え、コミュニケーションも活発になり、次の商談成立も期待できます。人間関係が希薄な昨今、社内飲み会を積極的に開く会社も出てきています」

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