精緻な制球力で勝負する投球スタイル同様、味の好みも繊細だ。酢の物などさっぱりした味が好きで、甘いものは苦手。肉は「濃いたれよりポン酢の方がいい」。でも、どちらかといえば肉よりも野菜。揚げ物は、登板前日に小さなカツがひと切れだけ出た。ヤクルト戦の前にはヤクルトが出ることも。夫人がこっそりと験を担いでいた。

1994年の現役引退後は、緊張感による食欲不振がなくなり「楽になった」。好きな酒もいつでも飲める。楽しみは自宅での野菜作り。トマトやキュウリ、ナスやオクラなどを育てている。「畑を見ているだけで癒やされる」

3年ほど前から始めたブログでは、カープと愛猫、畑の話をつづっている。絵文字を交えた文章は、話題の「カープ女子」からも評判だ。カープは前半戦を3位で折り返した。優勝すれば実に23年ぶり。その味を知る元エースは、後輩たちが美酒に酔う日を心待ちにしている。

(河尻定)

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私食店 鯨ベーコンつまんで一杯

「お竈突」のくじらベーコン(広島市中区)

最近のお気に入りは広島市の繁華街、流川の「お竈突(くど)」(広島市中区、電話082・545・7886)。瀬戸内の食材を中心とした和食の割烹(かっぽう)だ。店名は竈(かまど)がある空間を指す古い言葉にちなんだ。竈炊きのご飯も楽しめる。ビルの4階に、繁華街とは思えないほど落ち着いた大人の空間が広がっている。

お気に入りは「くじらベーコン」(税込み2160円)。うね(腹)の部分を柔らかく薫製にしたもので「見た目も鮮やかで楽しめる。毎回食べますね」。冬はフグもおすすめだという。

やはり楽しみはお酒。南九州出身とあって、乾杯のビールの後はもっぱら芋焼酎だ。飲み方は水割り。「家だといつ眠くなってもいいようにお湯割りだけど、外ではしゃんとしとかにゃいけんので水割り。冷たい酒は回るのが遅いから」

[日経プラスワン2014年7月26日付]

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