ヘルスUP

病気・医療

増える外国人医師・看護師 評判上々、言葉の壁なお 規制緩和で受け入れ拡大

2014/7/25 日本経済新聞 夕刊

 医療の国際化と人手不足を背景に、外国人医師や看護師らの受け入れが進んできた。経済連携協定(EPA)による東南アジアからの看護師受け入れは累計で700人を超えたほか、医師についてもこのほど規制が緩和された。独自に日本の医師や看護師の資格を取得する外国人も増えている。医療現場を担う外国人の実情と課題を探った。

■看護師

 「ご気分はどうですか。何か困ったことはありませんか」。袖ケ浦さつき台病院(千葉県袖ケ浦市)の外科病棟で、流ちょうな日本語で患者に声をかけるのはベトナム人看護師のファム・ティ・ミンフーさん(34)だ。6月下旬から入院している佐久間義子さん(86)は「検査で不安なときも優しく付き添ってくれる。日本人よりも優しいくらい」と厚い信頼を寄せる。

 ミンフーさんはベトナム北部ハイフォン市の出身。ハノイ市で2年間の日本語研修を受けた後、2000年に来日。秋田市の看護学校で学び看護師資格を取得した。秋田市内の病院勤務を経て08年春から袖ケ浦さつき台病院で働く。

 文化や習慣の違いもある。思ったことをはっきり口にするベトナム人と違い、日本人は体調が悪くても話さないことがある。ミンフーさんはベトナムの風習や歴史を話して患者と親しくなるよう努める。「信頼関係を作ることが患者のケアにはとても重要だ」と話す。

 袖ケ浦さつき台病院の竹内美佐子看護部長は「言葉などの不安から、日本人に世話をしてもらいたいという患者は多いが、実際にケアを受けると大抵の人が丁寧な仕事ぶりに満足してくれる」。

 同病院では系列の社会福祉法人を含め、ベトナム人やフィリピン人など計13人の外国人が看護師や介護士として働く。外国人受け入れ支援の民間団体AHPネットワークス(東京・港)やEPAを通じて受け入れている。8月にはベトナムからEPAで初めて看護師や介護士の候補3人を受け入れる予定だ。

 給与体系は日本人と同じ。「受け入れ前の看護学校の授業料や日本語習得にかかる負担などを考えるとコストはかさむ」(同病院を運営する社会医療法人社団さつき会の矢田洋三理事長)が、「少子高齢化による将来的な医療従事者不足を考えると、外国人の受け入れを進めなければならなかった」(同)という。

 東京都八王子市の永生病院は、中国・黒竜江省出身の看護師を12年から主任に起用し、病棟管理も任せている。日本語をマスターし日本の看護師資格を取っただけでなく、日本に帰化し結婚・子育てするなど積極的に根付こうと努力するなかで、「順応性があり能力も高い」(斉藤あけみ看護部長)と評価は高い。

ヘルスUP新着記事

ALL CHANNEL