「先輩ママ」教えて 妊娠・出産のお役立ちアプリ
月ごとにアドバイス
「妊娠中はちょっと体調が悪かったりすると、そんな風になるのは自分だけなんじゃないかと心配でした」。今月、第1子を出産したばかりの菅原智子さん(30)は、妊娠中の不安解消にスマホのサイトやアプリが役に立ったと振り返る。
菅原さんが登録しているのは「プレママタウン」と姉妹サイト「ベビータウン」。登録すると、妊娠月別に気を付けなければいけない生活上の注意点や役立つ情報をメールで受け取れる。妊娠・出産に関係する用語辞典も充実しており、何か気になったらすぐに調べられる。掲示板を通じて妊娠や出産、子育ての悩みを先輩ママなどに相談できるのも特徴だ。
同サイトはユニ・チャームをはじめ子供に関係のある企業が運営しており、紙おむつなどのプレゼント情報も随時更新されている。「例えばどんな紙おむつを使っていいかも分からなかったので、プレゼントでいろいろ試せて助かりました」(菅原さん)
毎日の体重や体調を記録できる妊婦向けのアプリも進化している。「妊婦手帳」の最大の売りは医療機関との連携だ。
同アプリと連携している約40の医療機関の医師は、担当する妊婦が入力した体重や体調のデータを必要に応じて見ることができ、検診にも役立てることができる。同アプリを運営している博報堂DYメディアパートナーズでは「提携先は今後3年間で500まで増やしたい」と話している。
妊娠中は予想外の事態が起こりがち。特に陣痛や出産は、準備していてもなかなか冷静に対応できないことも多い。
そんなときに役立つアプリが「陣痛きたかも」だ。使い方は簡単。アプリを起動し、陣痛が始まったときと治まったときに画面上のボタンを押すだけだ。
陣痛の時間や周期は出産の際の重要な情報になる。同アプリを使えば、陣痛がどの程度の時間続いて間隔はどのくらい空いていたかが記録でき、手元にメモとペンを置いて逐一書き留めるよりも手軽に計測しやすい。
妊婦用タクシーも
深夜、急に体調が悪くなり、かかりつけの病院まで行く手段に困る場合もある。そんなときは「マタニティ・マイタクシー」が便利かもしれない。ネット上であらかじめ自宅や通っている病院を登録しておくと、後日、専用の電話番号が記載されたカードが送られてくる。緊急時はその番号にかけると、24時間365日、タクシーが迎えにきてくれる仕組みだ。
迎車料金や運賃は通常のタクシーと同じだが、陣痛発生時は、破水してもシートを汚す心配がないようカバーを敷いた妊婦に配慮したタクシーが来る。慌ただしい陣痛発生時の利用なら、後払いも可能だ。
将来の人口減少が見えてきた日本にとって、妊娠・出産・育児の支援充実は最大の課題の1つ。核家族化や地域コミュニティーの縮小で妊婦へのサポートは手薄になりがちだが、進歩を続けるこうしたサービスが新たな支えになりそうだ。
(経済部 杉原淳一)
[日本経済新聞夕刊2014年7月24日付]
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