ライフコラム

エコノ探偵団

増える生活困窮家庭、子どもの貧困 見過ごすと?

2014/6/11 日本経済新聞 朝刊

 「文具などを買えない子どもが増えているのよ。放っておけないわ」。ボランティアで無料学習会に協力している主婦の話に、探偵、松田章司は首をかしげた。「今の社会保障では子どもを貧困から守れないのかな。どうすればいいのだろう」

■教育で不利、自立に影響も

 章司が調べると、経済的に困窮する家庭に学用品代などを補助する「就学援助制度」の支給対象者は、2012年度に小中学生の15.64%となり、調査開始以来17年連続で上昇していた。

 「でも援助制度があれば安心ですね」。章司が、小中学生向けに無料の学習会などを開くNPO法人キッズドアを訪ねると、理事長の渡辺由美子さんは「そんなことはありません。学校の教育力が落ちており、都市部では多くの子どもが塾に通っています。親が塾に通わせる余裕がない場合、その後の進学や就労に差がついてしまいます」。

 経済協力開発機構(OECD)によると日本は学校にかかるお金の私費負担割合が3割と平均より高く、塾などを入れると家庭の負担はさらに膨らむ。文部科学省の調査では、学力テストの結果や卒業後進路に親の年収が影響することが分かっている。「生活が困窮している親には学習習慣を身につけさせる余裕がありません。貧困家庭に生まれた子どもが貧困に陥る『貧困の連鎖』は断ち切る必要があります」と渡辺さん。

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