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女性・高齢者に増えるめまい 大半は耳の器官異常 予防・再発防止へ生活改善を

2014/6/6 日本経済新聞 夕刊

高齢者や女性を中心に「めまい」の症状を訴える人が増えている。ある日突然、景色が回転しているように見えたり、ふわふわした感じになったりする――。めまいを引き起こす疾病は様々だが、過度のストレスが病因となるメニエール病など生活スタイルが引き起こす「現代病」でもある。正確な原因と適切な治療法を見つけることが完治のカギを握る。

「半年ほど原因がわからず苦しかったが、すっかりよくなった」。東大病院耳鼻咽喉科(東京・文京)内で、週1日開設している「めまい外来」。2009年に初めて受診した茨城県取手市の松本良枝さん(82)は笑顔を見せる。

ある朝起床した途端、立っていられないほどのめまいに襲われた。吐き気で食欲もなくなった。「脳に異常があるのでは」と考えて脳神経外科を受診。コンピューター断層撮影装置(CT)検査を受けたものの異常は見つからなかった。紹介されためまい外来で、難病の一種「メニエール病」と診断された。

東大病院で専門の機器を使っためまいの検査を受ける女性患者(5月23日、東京都文京区)

メニエール病は、耳の奥にある内耳と呼ばれる器官の一部が、頭の回転や動きを感覚細胞に伝える内リンパ液の増加でむくむことによって起きる。景色が回転しているようなめまいと難聴や耳鳴りが10分から数時間続く。めまいの1割程度を占めるとされる。明確な原因は解明されていないが、ストレスが影響を与えていると考えられている。

東大病院のめまい外来は、多い時には1日70人が受診する。目の動きを調べるなど約10種類の専門的な検査でめまいの原因を特定。症状に沿って投薬などの治療を行う。松本さんの場合、ステロイド薬の注射といった治療で症状は2~3カ月でほぼ完治した。

■脳卒中の恐れも

同外来の岩崎真一医師は「メニエール病などめまいの症例の7割は耳の器官異常が原因。耳鼻科の専門範囲」と指摘する。

メニエール病同様、耳の器官異常によりめまいを引き起こす疾病が「良性発作性頭位めまい症」だ。めまいの4割以上と最も多い。内耳の中で平衡感覚を担うセンサー役をする耳石器の一部が代謝ではがれ、三半規管にまぎれこんで神経を刺激するために起こる。

めまいが数十秒と比較的短い時間で連続して起きるのが特徴。メニエール病と異なり原因がはっきりしており、「エプリー法」という頭の位置を動かして耳石を三半規管から出す理学療法が有効とされる。

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