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話題の「熟成肉」 自宅で焼くにはコツがある 普通の肉と水分に違い

2014/6/3 日本経済新聞 プラスワン

熟成肉が人気を集めている。一定の条件下で寝かせることでうまみが増し、硬い肉でも軟らかくなる。独特の香りも肉好きにはたまらない。レストランで楽しむだけでなく、肉そのものを買ってきて自分で焼くこともできる。ただし上手に焼くにはちょっとしたコツが必要だ。熟成肉のイロハと楽しみ方をまとめた。

■肉軟らか、芳醇な香り

炭火で時間をかけて熟成肉を焼くオーナーシェフの高山さん(東京都新宿区の「アンティカ オステリア カルネヤ」)=写真 編集委員 塩田信義

「あの香りが忘れられない」。東京都新宿区のイタリア料理店「アンティカ オステリア カルネヤ」には、熟成肉を求めて連日人が押し寄せる。1番人気は炭火焼きステーキ(180グラム、夜は5184円)。厚さが5センチもあるのに、歯切れが良く軟らかい。ナッツのような芳醇(ほうじゅん)な香りは、普通の肉では味わえない。熟成肉は脂の少ない赤身肉を使うことが多く、女性からも人気が高い。独特の香りはワインとの相性もいいという。

熟成牛肉はエイジングビーフともいうが、エイジングには大きく2つの手法がある。ウエットとドライだ。ウエットとは肉を真空パックに入れて低温で数日から数十日間寝かせたもの。多くの熟成肉はこのタイプだ。

これに対して最近人気が高いのがドライエイジング。温度、湿度を一定に保った保管庫内で風を循環させ、乾燥させながら熟成する。カビなどが付着した表面は削って出荷する。

米国で確立したドライエイジングの手法を持ち込んだ食肉販売会社「さの萬」(静岡県富士宮市)の佐野佳治社長によると、熟成の原理はこうだ。風を当てることで肉の余分な水分(自由水)を飛ばす。その過程で微生物が働き、タンパク質がアミノ酸に変わる。それでも肉の内部には細胞と結合した水分が残っており、ジューシーさは維持されるという。さらには繊維がほぐれて軟らかくなる。

食肉卸、小川畜産興業(東京都港区)が熟成肉を研究機関に持ち込み分析したところ、うまみ成分は約10倍、風味は5倍に増えた。軟らかさも2割程度増した。「通常なら硬くてステーキには適さない安い乳牛の赤身肉でも驚くほど軟らかくなる」(高木聡取締役)

ドライエイジングした熟成肉は、シンプルな味付けで楽しみたい。「うまみが増しているので、塩だけでおいしい」(さの萬の佐野社長)という。軟らかさを堪能するには厚みのあるステーキが最適だが、「香りを楽しむならハンバーグもいい」(小川畜産)。さの萬や小川畜産ではステーキ肉やハンバーグも一般向けに販売している。

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