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B級グルメの富士宮市、地元の主役はお好み焼き? 焼きそばより歴史古く

2014/5/28 日本経済新聞 夕刊

静岡県富士宮市といえば……お好み焼き。あの有名な焼きそばではなくて、お好み焼き?

「すぎやま」でお好み焼きを食べる富士宮やきそば学会会長の渡辺さん

「そうです。焼きそばがあるのはお好み焼きの店です。主役はお好み焼きで焼きそばはいわばレコードのB面。そのB面でまちおこしに取り組んだのです」

ご当地グルメの代名詞ともなった「富士宮やきそば」をブランド化し、観光客を呼び込む戦略を成功させた富士宮やきそば学会会長の渡辺英彦さん(55)が言うのだから間違いない。

地元の食を資源として地域の元気を取り戻そうと考えた渡辺さんたちの脳裏に浮かんだのは、子どものころに親しんだ駄菓子屋の情景だった。おばさんがお好み焼きを焼いてくれ、熱々のそれをちいさな「へら」で口に運んだ。

しかしお好み焼きは大阪と広島という二大ブランドが立ちはだかり、割り込むのは難しい。そこで旗印に掲げたのが、富士宮独特の焼きそば。それを使ったまちおこしが動き出したのは2000年のことだった。

合併して13万5千人ほどの富士宮市内には、フライパンで焼くスナックも加えればお好み焼きを出す店が150軒を下らないのではないかという。なぜそうなったのか。

◇            ◇

富士宮は全国に点在する浅間神社の総本宮、富士山本宮浅間大社の門前町で「大宮の市」でにぎわった。富士山への登山道もある。またかつて大きな製糸工場があり、静岡県東部の中心都市として繁栄した歴史を持つ。山梨県からも買い物や遊山の人々がやってきて、花柳界も華やかだった。

懐に余裕がある人は割烹(かっぽう)に繰り出し、若い女性や子どもたちは駄菓子屋や食堂の鉄板の前に座った。

「幼稚園のころから駄菓子屋に行っていました。製糸会社の女性工員さんたちも来ていましたよ。一番シンプルなお好み焼きが20円とか30円のころ、焼きそばは50円くらい。10円しか持っていない日は、おばちゃんが10円分の小さいお好み焼きを焼いてくれました」と渡辺さんは言う。

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