「男性がスーツを脱ぐとベルトやポケットに目が行く、と言う女性は多いですね」。女性営業職が参加するコミュニティーサイトを運営する一般社団法人「営業部女子課の会」(東京・港)の代表理事、太田彩子さんはこう語る。仕事柄、身だしなみに気を遣う彼女たちは、男性のクールビズのどんなところに違和感を覚えるのだろう。
目立つと印象が悪いアイテムとして最初に挙げたのは「ブランドのバックルが付いたベルト」。古臭い印象を与えてしまうようだ。「シンプルな革のベルトでOK。靴の色と合わせると好感度が高まる」という。
ポケットで気になるのは「物の詰め込み過ぎ」。ペンや携帯電話、財布など何でも詰め込むとシャツやスラックスの形が崩れる。スマートさに欠け、よい印象ではない。
ノーネクタイだとワイシャツにも目が行く。「Tシャツのロゴが透けたり、首元から肌着が見えたりするのは減点対象」と太田さん。素肌にワイシャツを着た姿も女性営業職の間で評判が悪い。
だが、欧米ではワイシャツは肌着と考えられており、素肌に着るのが正しいと考える男性も多い。実際はどうなのか。
男性のコーディネートサービスを提供するライフブランディング(東京・港)の社長、吉田泰則さんによると、素肌に着るのはルールとして間違いではない。ただし「日本は高温多湿。汗をかくと肌にシャツが張り付いて気持ち悪いし、他人にも不快感を与える。肌着を着た方がよい」と指摘する。
問題は肌着のタイプだ。吉田さんのおすすめは襟元から見えないVネックやUネック。色もできれば肌色のものがよいという。透けて見えにくいからだ。汗を吸い取りやすい素材のものなら、さらによい。
一方、注意したいのはランニングシャツ。涼しげではあるが「一番汗をかく脇の部分が開いているので、シャツに汗が染みやすい」(吉田さん)。そもそもランニングシャツにあか抜けない印象を持つ女性がいることも忘れてはならない。