■適度な運動を

そこで、生活習慣の見直しが再発防止に重要になってくる。まずは食事。塩分や脂肪分の取り過ぎに注意し、野菜や果物をなるべくとるようにする。肥満の人も規則正しくバランスのとれた食生活を目指せば、カロリー過多にならないようにできるはずだ。

山口理事長は「アルコール摂取もほどほどに抑え、こまめに水分をとることを心掛けてほしい」と呼び掛ける。また、たばこを吸っている人はすぐやめる。適度な運動も欠かさないようにする。ただ、炎天下でゴルフなどをすると、脱水状態になり脳梗塞を起こしやすくなる。水分補給に気をつけよう。

上原医師は「生活習慣の改善のほかに、下地となる病気の治療、薬物療法、手術も再発防止に有効だ」と指摘する。脳卒中を発症した人には糖尿病や脂質異常症などを持っている場合が多い。これらをしっかり治療すれば、脳卒中が再発するリスクを下げられる。

脳卒中の薬物療法は、血小板の働きを抑える薬や血液を固まりにくくする薬を飲む。血栓は血小板が集まってできる。また心臓にできる血栓は血液中の凝固因子が関係しているからだ。

薬物治療で十分な効果が得られない場合は、血管にステント(細い金網)を入れて広げる手術などを実施する例もある。山口理事長は「定期検査を受けることを忘れないでほしい。血圧を制御すれば4割、薬を適切に服用すれば7割近くの再発を防げる」と訴える。

脳卒中の予防と医療体制充実に向け、基本法を作る動きもある。患者団体や関連学会などが国会に実現を求めており、昨年末には自民、公明両党に「脳卒中対策を考える議員の会」もできた。山口理事長によると、救急隊員や医師への教育、患者登録制度、地域の診療ネットワークづくりなどが課題になっているという。

脳卒中予防に気を付けていても、残念ながら再発してしまう人はいる。「体の左右どちらかに力が入らない」「しびれる」「ろれつが回らない」など特有の症状が起きたら、一刻も早く病院で治療を受けることが大事だ。

(川口健史)

[日本経済新聞夕刊2014年4月25日付]

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