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認知症抑える報告も 牛乳の効用、最新研究 和食に使い、上手に摂取

2014/4/22 日本経済新聞 朝刊

体力増進に役立つとして学校給食の定番にもなっている牛乳。リラックス効果や生活リズムの改善、良質な睡眠の促進などの作用もあるといわれる。最近では、認知症を抑えるのにも一定の効果があるとする研究報告も出された。飲むとおなかの調子が悪くなると敬遠する人も多いが、温めたり料理に加えたりといった工夫でうまく摂取できる。

カルシウム成分で骨が丈夫になる――。学校などでは、長年こうした理由で牛乳摂取が推奨されてきた。最近は減ったが家に毎朝、瓶入りの牛乳が届き、1本飲み干して「今日も頑張るぞ」と仕事に出かけた記憶がある人も多いだろう。実際に、牛乳には心身の状態を改善する効果があるらしいことがわかってきた。

東海学園大学の中出美代准教授らが学生249人に牛乳を飲んでもらった調査では、飲む回数が多い人は少ない人よりもイライラする回数が少なかった。飲む回数が多い人の方が朝型の生活で、休日も起床時刻が早い傾向を示した。飲む頻度が低い人は平日、布団に入ってから眠るまでの時間は長く、睡眠の質も悪い傾向だった。

■安眠もたらす成分

中出准教授は牛乳の成分でアミノ酸の一種、トリプトファンの働きが一因とみている。神経伝達物質の一つで、うつ病などと関係するとされるセロトニンのもとになる。さらにセロトニンから、安定した睡眠をもたらす効果が知られるメラトニンが合成される。トリプトファンは「(他の物質と結合していない)フリーな状態で3グラム以上摂取すると入眠を改善するという報告がある」と睡眠評価研究機構の白川修一郎代表は話す。

ただ、牛乳のトリプトファンはフリーな状態ではなくたんぱく質のカゼインを構成するアミノ酸として存在し、量も少ない。寝る前に牛乳パックを一気飲みしても意味がないが、毎日飲むというように習慣的に一定期間摂取し続けると効果が出る可能性があるという。

九州大学の清原裕教授らのグループは福岡県久山町における、食事や運動と病気との関係を調べる大規模な疫学調査から牛乳・乳製品の効果を分析した。浮かび上がってきたのは認知症との関連だ。

1988年に食事調査をした認知症のない60~80歳の1006人の健康状態を追跡し、食事パターンとその後の認知症発症との関係を調べた。牛乳・乳製品(ヨーグルトとチーズ)、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、海草類などを多くとる一方、米や酒は少なめという傾向がはっきりしている食事パターンほど発症リスクが低かった。

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