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花粉症、10月にも新治療 舌裏にスギのエキス滴下

2014/4/11 日本経済新聞 夕刊

 国内では4人に1人が発症していると推定され、もはや「国民病」ともいわれる花粉症。これまでは対症療法が中心だったが、今年1月、最も患者が多いスギ花粉へのアレルギー体質を治す舌下免疫療法の新薬が承認された。早ければ10月に健康保険の対象になり、専門医の下で新たな治療が始まる見通しだ。今年の花粉飛散のピークは過ぎたが、来シーズンに向け患者の関心は高まっている。

 東京都内の60代男性は10数年前から毎年、春になると目が腫れ、鼻がつまるなどの症状に悩まされていた。症状を和らげる対症療法薬の服用を続けるのは抵抗があり、5年前の秋、日本医科大の大久保公裕教授(耳鼻咽喉科)が臨床研究として実施していた舌下免疫療法を受けた。

■2年で症状なく

 治療開始から半年後の翌春から症状が軽くなり、2年目には症状がほとんどなくなった。治療前は春先は外出を極力控えていたが、テニスやゴルフなど野外でのスポーツを楽しめるようになったという。

 同大で舌下免疫療法を受けた男子中学生も部活や勉強に支障が出ていたが、2年ほどで症状が治まったという。

 花粉症はアレルギー疾患の一つ。体の免疫機能がスギ花粉を異物とみなして、体外に排除しようと細胞がヒスタミンと呼ばれる物質を放出。鼻水やくしゃみなどの防御反応が起きる。治療法は、マスクなどで吸い込む花粉の量を減らすほか、抗ヒスタミン剤を服用し一時的に症状を和らげる対症療法が中心だった。

舌下免疫療法では舌の裏にスギ花粉エキスを含む薬を垂らす(日本医科大提供)

 アレルギーを根治するには原因物質を少量ずつ投与し、体質を変える免疫療法がある。花粉症でもスギ花粉のエキスを含む注射剤による免疫療法が行われてきた。ただ治療開始からしばらく週1回程度の通院が必要で、注射の痛みなど患者の負担が大きかった。

 舌下免疫療法では1日1回、スギのエキスを含んだ液体の薬を舌の下にたらす。最初の投与量は0.2ミリリットルで2週間かけて徐々に増やし3週目からは1ミリリットルになる。服用後は最低2時間は激しい運動や入浴、アルコール摂取を避ける。

 臨床試験などでは主に重症の花粉症患者約900人が治療を受け、「8割で効果があった」(大久保教授)。一方、様々な刺激に鼻の粘膜が反応し、花粉症と同じ症状が出る鼻過敏症を併発している患者では効果は小さかった。

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