2014/4/9

震災など経験リスク敏感

「消費増税の影響で若年層から高齢者まで節約志向が強まっています」と中間報告する明日香。「でも、景気は良くなっているし、賃上げする会社も多いのに節約する人がなぜ増えているのかな」。所長は再調査を命じた。

「確かに景気は良くなりましたが、将来に目を向ければ余裕がないことに気づくはずです」。家計経済研究所研究員の田中慶子さん(39)が注目するのは年金や老後への不安心理。女性を対象にした同研究所の調査では、12年秋時点で家計簿をつけている人は34%、子育て世代に限ると38%。「共働き世帯が増えて収入源が広がり、クレジットカードや電子マネーなど資金決済の方法も多様化しています。老後対策を立てるには、まず家計簿で資金の出入りを透明にする必要があるのです」

「将来に不安を感じ、老後への備えを気にする人が増えています」。月刊の生活情報誌『サンキュ!』の松岡亜希さん(40)の見方も田中さんに近い。以前は月々のお金のやり繰りの特集が多かったが、この1~2年は、老後の生活設計や子供の教育資金など長期をにらんだ特集の方が読者の人気が高いという。『サンキュ!』編集部門が手がける『みるみる貯まる!カンタン家計ノート2014』には貯蓄のコツを伝授する「めざせ1000万円」と題するコラムを掲載している。

最後に、日本人の消費や貯蓄行動に詳しい専修大学教授の徳田賢二さん(66)を訪ねた。「リーマン・ショックや東日本大震災を経験した人の多くはリスクへの備えを強く意識し、長期を視野に入れて消費を決める傾向が強まっています」と解説を始めた。

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消費のパターン多様化