大学の勉強 役立つの?

2014/4/2

エコノ探偵団

「この春から晴れて大学生になります。でも、大学で勉強することって役に立つんですかね?」。近所に住む18歳の女性の疑問に、探偵の松田章司が「自分が勉強したことも今の仕事に役立っているのかな。調べてみましょう」と調査を始めた。

企業、有能人材選ぶ指標に

「まずは、大学合格者がどう考えているのか調べてみよう」。章司は3月13日、東京都目黒区の東京大学駒場キャンパスに出かけた。東大は毎年恒例となっていた合格者の受験番号掲示を今年から一時的に取りやめているが、この日は学生有志が合格者を胴上げするイベントを開き、約200人の合格者が集まった。

横浜市に住む男性(19)に話を聞くと「しばらくは合格の喜びに浸って遊びますが、授業が始まったらしっかり勉強するつもりです。法学部に進む予定で、社会に出た後も役立つと思います」と優等生らしい答えが返ってきた。

章司は次に、ある金融機関の採用担当者(47)に話を聞いた。「採用するならちゃんと勉強した学生ですか」。すると担当者は「建前では『人物本位』と言っていますが、本音は少し違います。難関大学で学んで、優秀な成績で卒業する学生は、採用してみるとやはり優秀である確率が高いのです」と明かした。

そこで一橋大学教授の川口大司さんが解説した。「優秀な大卒者に高卒の人より高い給与を払って企業が採用しようとする理由として、経済学の理論には2つの説明があります。一つが『シグナリング』、もう一つが『人的資本』という考え方です」

難関大学の卒業生は、その人がもともと高い知能を持っていたり、あるいは長時間の受験勉強に耐えられる忍耐強さを持っていたりするなど、人材として高い価値を持っていることの「シグナル」であると企業は考える。これが「シグナリング」だ。

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