プリペイド・かけ放題…スマホ料金、アプリで節約
格安電話アプリの基本的な仕組みは共通で、インターネットと同じIP(インターネット・プロトコル)網や独自に用意した電話回線を経由する。そうすることで、大手通信会社の音声回線よりコストを抑えられる。使い方も、アプリを起動して番号を押すだけと簡単だ。
「通話料に不満」6割
通話料に不満を持つ人は多い。NECビッグローブ(東京・品川)の調査では、スマホの不満点として利用者の6割近くが「料金の高さ」を挙げ、1位の「電池の持ちの悪さ」に続いた。
通話料をとことん下げたい人にお薦めなのが、17日にサービスを始めたばかりの「LINE電話」だ。無料チャットアプリ「LINE」の追加機能として提供される。携帯宛ては1分14円と今回紹介するサービスのうち最も安い。利用頻度の高い人向けに60分相当の通話料を前払いするプランもあり、固定・携帯の両方にかける場合は390円、固定宛てのみであれば120円。1分あたりに換算するとそれぞれ6.5円、2円まで下がる。前払いプランの有効期限はいずれも30日だ。
LINE電話では090や080で始まるスマホの番号をそのまま相手に通知できる。「いつもと同じ番号なので相手に不審がられないし、新たな番号を伝える手間も不要」(LINE)と強調する。ただし、相手がNTTドコモの端末を利用している場合、電話をかけても自分の番号は通知できない。
海外との電話のやりとりが多い人に役立ちそうなのが「Skype(スカイプ)」だ。3カ月2250円などやや高額だが、050で始まる日本の電話番号のほか、米国や韓国、香港など20カ国・地域の番号を、1人あたり10番号まで取得できる。例えば米国の知人から電話をかけてもらう場合、米国の電話番号を持っておけば、自分が世界のどこにいても相手が支払うのは国内通話料だけで済む。
通話料は、1分あたりと1通話あたりの2階建ての体系。通話時間が長くなると他社より割安になりやすい。固定電話宛てに限られるが、月690円でかけ放題になるプランがあり、固定電話宛ての通話が多い人には重宝しそうだ。
高音質のサービスも
LINE電話やSkypeより若干割高だが、サービス品質を重視したい人には「楽天でんわ」と「050plus」を検討するのもいい。楽天でんわはIP電話ではなく、独自に用意した音声回線を使う。「インターネットの混み具合により音が途切れたりせず、通常の携帯電話と同じ品質で通話できる」(フュージョン・コミュニケーションズ)。050plusはIP電話だが「この1年で契約者が100万件から200万件へと増え、苦情もほとんどない。国内のスマホ全機種で動作検証している」(NTTコミュニケーションズ)と自信を示す。また、いずれも自分の番号を相手に確実に通知できることをメリットとして挙げる。
楽天でんわは090、080などスマホの番号をそのまま使える。スマホだけでなく、同アプリに対応しない従来型携帯電話でも、専用の番号を付けてダイヤルすることで格安料金を適用できるのがポイント。050plusは、050の番号と留守番電話が標準機能として付くほか、NTTグループ各社やニフティ、NECビッグローブなど約300万回線のIP電話宛て通話も無料だ。
(電子報道部 金子寛人)
[日本経済新聞夕刊2014年3月20日付]
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