ライフコラム

エコノ探偵団

日本は隠れた無人ヘリ大国 農業分野で普及

2014/2/11 日本経済新聞 プラスワン

「最近、無人機のニュースをよく見ますね。そのうち、日本の空を飛び回る日が来るんでしょうか」。無線操縦の飛行機が趣味だという青年が事務所を訪れた。探偵、松田章司が「無人機は探偵業にも使えるのでは」と調査に乗り出した。

「なぜ無人機のニュースを目にする機会が増えたのかな」。章司はロボットや無人機を研究する千葉大学教授の野波健蔵さん(64)を訪ねた。「背景にはスマートフォン(スマホ)など電子機器の分野で起きたモーターや電池、センサーの技術革新があります」と野波さんは説明した。

■軍需なく、開発競争は不利

最近、注目を集めたのが「マルチローターヘリコプター」という4~8個のプロペラを持つ機種。昨年末、米アマゾン・ドット・コムや国際物流大手の独ドイツポストDHLが宅配に使う構想を発表。指定した目的地まで自動航行し、荷物を届けた後は物流基地へ戻ってくる。「従来のヘリと違い、自分の3倍以上の重量を積めるので、流通革命につながる可能性がある」と野波さん。

「日本ではあまり見ませんが開発が遅れているのですか?」と章司が聞くと、「むしろ大型化の鍵を握るモーターの技術は進んでいます」と野波さん。「ただ、無人機やロボットは海外では民生用と軍事用を並行して開発するのが普通。軍需がない日本は予算や実験の面で不利なのです」

野波さんらはメーカーなどと産学官の共同研究グループをつくり、巻き返しを図っている。開発した無人機は、爆発事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所の調査などに使われる予定だ。

「日本でも活用は広がっているのかな」。無人機のメーカーなどでつくる日本産業用無人航空機協会に問い合わせると、担当者が「民間が産業用の無人機を積極的に活用しているのは日本くらいです」と説明した。

無人機は米軍が使って有名になったが、実は日本も民生用では隠れた無人機大国。例えばNHKの人気ドラマ「あまちゃん」のオープニングの撮影にも使われた。「橋の調査などにも用途が拡大しています。ただ、一番普及しているのは農業分野ですよ」

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