未破裂脳動脈瘤、破裂と手術のリスク説明重視日経実力病院調査2013

脳内の血管の一部がこぶ状に膨れる「未破裂脳動脈瘤(りゅう)」は自覚症状はほとんどないが、破裂すると、くも膜下出血で死亡する危険性がある。破裂しない患者も多く、日本経済新聞社が公開データを基に実施した「日経実力病院調査」で患者数が多い病院では大きさや位置などで異なる破裂するリスクと、手術の危険性を十分に説明することを重視。手術は開頭するクリッピング術のほか、血管内治療も増えてきた。

未破裂脳動脈瘤は脳動脈の分かれ目などにできた血管のこぶだ。破裂して一命を取り留めても後遺症のため社会復帰できるのは3分の1程度。自覚症状がなく、他の疾患や脳ドックで検査を受けて、偶然に見つかる場合がほとんどという。

ただこうした動脈瘤が必ず破裂するわけではない。国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)脳神経外科の高橋淳部長は「患者の年齢、こぶの大きさ、部位、形状などを考慮し、手術するか経過観察するか判断している」と説明する。経過観察の場合は半年から1年に1度、脳の画像診断で大きさや形の変化を確認するために外来通院となる。

「手術をしないで済むなら最も望ましい」とする高橋部長も「手術を勧められなくても、破裂しないということではない」と指摘。「手術のリスクと破裂の可能性をてんびんにかけて、必要ならば手術を勧めるが、最終的に患者に決めてもらう」と話している。

手術法は2つ

手術法は2つある。1つは頭部を切開してこぶの付け根をチタンなど体に影響を及ぼさない金属で作られた小さなクリップでふさぐクリッピング術。もう1つとしては、太ももの付け根から血管に細い管(カテーテル)を挿入してこぶにコイルを詰める血管内治療がある。

日本脳神経外科学会によると、2010年度の国内での治療数は約1万6千例。このうちクリッピング術は1万1千例で全体の7割を占める。血管内治療も5年前より1割増えている。

今回の調査では富永病院(大阪市)は「手術あり」の8割強の194例がクリッピング術。同病院によると、脳腫瘍などの手術中に行う患者も含めると、昨年は240例実施した。