帯状疱疹、20代と50代以上の発症多く 予防接種も

この結果から、日本人の3人に1人は、一生のうち1回以上は帯状疱疹を発症すると推定された。いわば誰もがかかりうる病気である帯状疱疹とどのように向き合えばよいのか。

本田さんは「まずは若い世代にも帯状疱疹の症状や経過をよく知ってもらい、早めの治療を受けてほしい」と話す。神経節に潜む水痘ウイルスが活性化すると、まず知覚神経に沿ってピリピリとした痛みを感じる。典型的なのが脇腹に背から腹にかけて線状に走る痛みだ。痛みのラインに沿って、ポツポツと赤い発疹ができたら、すぐに皮膚科を受診したい。

本田さんは「この段階で抗ウイルス薬による治療を受け、安静にしていれば比較的短期間に回復することが多い。逆に発疹が水疱のように広がってしまうと、治癒後も皮膚に痕が残ってしまうことがある」と説明する。とくに、耳からあご、さらに首に起きて重症化すると顔面まひに、まぶたに広がると失明の原因になることもあるので、注意が必要だ。

■ワクチンを接種

帯状疱疹の予防は、規則正しい生活を心がけて十分な栄養を取るなど、一般的な健康管理が中心となる。糖尿病などの慢性疾患のある人は発症しやすくなるので、若いころからメタボリックシンドローム対策が重要だ。

そして専門家は、大人になってからのワクチンの再接種が水痘ウイルスに対する免疫を高めるのに役立つと考えている。実際、米国で行われた臨床研究では帯状疱疹の患者数が急増する50代にワクチン接種をすることで、発症率が半減し、重症化を防いだという結果も出ているという。

日本でも、医療機関にもよるが大人でも5千円から1万2千円程度で水痘ワクチンを接種できる。子どものころに水ぼうそうにかかったことのない人はもちろん、帯状疱疹が心配な50代になったときに一度、皮膚科医とよく相談するといいだろう。

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小児用ワクチンは無料化へ

現在、厚生労働省は、小児用の水痘ワクチンや成人用の肺炎球菌ワクチンを定期予防接種に加え、年内の実施を目指している。現在は自費となっている水痘ワクチンが多くの自治体で無料となることで接種率が増えると考えられている。

専門家の間では、子どもの水ぼうそうが減ることで、大人の免疫力を高める機会が減り、帯状疱疹が増える可能性があるという指摘もある。免疫力の低下は、症状の重症化にもつながるので、今後は帯状疱疹予防に対する基礎知識がより重要になるだろう。

(ライター 荒川 直樹)

[日経プラスワン2014年2月1日付]

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