ヘルスUP

健康づくり

帯状疱疹、20代と50代以上の発症多く 予防接種も

2014/2/6 日本経済新聞 プラスワン

子どものころに感染した水ぼうそう(水痘)のウイルスが原因で起こる帯状疱疹(ほうしん)。中高年や高齢者の病気と思われているため、若いころに発症すると帯状疱疹であることに気づかず重症になることもある。帯状疱疹の早期のサインや予防について専門家の話を聞いた。

20代後半の長距離トラック運転手のAさんは、依頼された仕事をこなすため、わずかな仮眠をとりながら3日間続けて運転を続けた。運転中、頭の左半分に痛みを感じ、少したつとおでこに小さな赤い発疹が現れたが、それほど気にせず仕事を続けていた。

しかし、皮膚症状はどんどん悪化し、顔面に赤い水疱(すいほう)が広がり、やがて目を開けづらくなるまでに。ようやく受診した東京慈恵会医科大学葛飾医療センターでの診断は帯状疱疹。このときには既に意識の低下もみられ、すぐに抗ウイルス薬による治療を始めた。

Aさんの治療をした皮膚科教授の本田まりこさんは「帯状疱疹は痛みを伴う皮膚疾患。高齢者の病気というイメージを持つ人が多いが、実は10代から20代にかけても発症のピークがある。過労やストレスが原因で発症するが、本人が帯状疱疹だと気づかずに重症化するケースも多い」と話す。

■体の中に潜伏

なぜ健康な若者に帯状疱疹が発症するのか。そこには人の免疫機能とウイルスとのせめぎ合いがある。水ぼうそうは、子どものころに感染し自然治癒するが、実は治った後もウイルスは消えず、体内の「神経節」という場所に潜んでいる。しばらくは、感染時に獲得した免疫力が強いので、ウイルスを押さえつけているが、時間がたつにつれて免疫が少しずつ低下、これが若年者の帯状疱疹の発症につながる。

ただ20代後半から30代になり家族を持つと、子どもが水ぼうそうになったときにウイルスに再度さらされて免疫力を強めることがある。そのため発症率は再び低下するが、それでも50代以降になると免疫力が大幅に低下する。

近年、帯状疱疹の患者数は増加傾向にある。外山皮膚科(宮崎県日南市)院長の外山望さんが中心となった疫学調査では、患者数は1997年から2011年の15年間に33%増えていた。外山さんは、原因の解明はこれからとしつつ「核家族化により高齢者が水ぼうそうに感染した小児に接する機会が減り、免疫力が低下していることも理由の一つに考えられる」と話している。

ヘルスUP 新着記事

ALL CHANNEL