繰り返す口内炎、放置は禁物 感染防止・栄養補充を重病が潜む危険も

■2週間が目安に

白血病の初期症状の口内炎(桜井非常勤講師提供)

見た目や症状は再発性アフタに似ているが、命に関わる恐ろしい病気が隠れているときがある。ただの口内炎でない場合は治療方法が変わる。ふつうの口内炎と思い込んで治療をしているうちに、かえって症状が悪化してしまう人もいる。

注意が必要なのは、粘膜の表面にできたがん「口腔がん」だ。口内炎に似た症状が長引いて2週間以上治らない場合や1センチメートル以上の大きなものだと、病院で組織を調べてもらった方が安心だ。

体の異変が口内炎となって現れる病気もある。免疫がうまく働かない病気にかかると、いつもは悪さをしない菌やウイルスなどが口内炎の原因になる。白血病やエイズの初期症状が代表だ。口内炎のただれた潰瘍の部分が比較的深い場合は疑った方がよい。

はしかや口や手足に水疱(すいほう)ができる手足口病などのウイルス感染が原因になると発熱しやすい。腸が炎症を起こすクローン病や潰瘍性大腸炎など、消化管粘膜の広い範囲で炎症が起こる病気でも口に症状が現れる。

診断には血液検査で貧血や血液細胞の数を調べ、体のどこかが患っていないかどうかを確かめる。同時に亜鉛やビタミンが足りているかも見る。発熱があればウイルス感染が疑われる。ベーチェット病などの自己免疫疾患の可能性もあるため、目や外陰部の症状にも気を配る。

特に治りが悪い場合は気をつけたい。日本口腔内科学会の草間幹夫理事長は「2週間が一つの目安になる」と語る。徐々に大きくなったり出血したりしたら病院にかかる。医師に1週間後の経過を診てもらうのがよい。ステロイドの軟こうを塗ると、痛みはとれるが、奥に隠れる病気を見抜けなくなるので注意が必要だ。

口内炎が何度も繰り返してつらいときは、まずは歯科、口腔外科など口の中の粘膜の病気に詳しい開業医にかかる。皮膚や喉に異常があるときは耳鼻咽喉科や皮膚科にかかるとよい。大きな病院での検査を勧められたら、全身の検査ができる大学病院などで様々な経験を積んだ医師に診てもらう。「たかが口内炎」と甘く見ずに、早めに病院に足を運ぼう。

(岩井淳哉)

[日本経済新聞夕刊2014年1月31日付]

ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント
ウェルエイジング 健康で豊かな人生のヒント