コース料理は食べながら会話を楽しむことが大切だ。そのためにも無理なく口に入り、かみこなせる自分にとっての一口大を知ろう。

井垣さんは「目安は親指大」と助言する。パンをちぎるとき、料理を切り分けるときもこの大きさを意識すると、見た目も美しく食べられる。

料理のソースが余ったらパンを使って食べたいところ。ただ山口さんは「友人同士や気心の知れた同僚との会食では問題ないが、お見合いや重要な取引先など改まった場では避けるのがスマート」と話す。付け合わせにしっかり絡めるなどして余らない工夫をする。

苦手な食材があって残したいときは皿の右上など1カ所に集め、ナイフとフォークをそろえて食事終了のサインを店員に送る。

殻付きの甲殻類、骨付き肉などうまく食べる自信のない料理が出てきたら「遠慮なく食べ方を店員に聞こう」(山口さん)。食べやすいように仕上げてもらっても恥ずかしくない。

口紅、食前に軽く拭く

女性が特に気をつけたいのが口紅だ。食事が始まる前に化粧室に行き、軽く拭き取る。ワイングラスなどに口紅の痕がべったり付くのは格好悪いからだ。事前に拭いていれば付く心配も少ないが、付いてしまったら親指ですぐに拭き取る。

会食に招かれたときは、ナプキンを膝の上に置くタイミングに注意。全員が料理の注文を終え、主催者が皿の上のナプキンを膝の上に置いたのを確認してからにする。

ナプキンは折り返しの縫い目のある方を裏側にして、2つ折りにし、折り目の方を腹側に置く。

食事の途中で口元が汚れたときはナプキンの上側をめくり、裏側で拭く。油で口紅が付くが、気にする必要はない。拭いた後はナプキンを元に戻し、汚れが見えないようにする。

基本的には主菜が終わるまで中座はしないのが望ましい。事前にトイレを済ませておこう。どうしても途中で席を立つ際は、目の前の料理を食べ終えてからにする。ナプキンはたたんで、椅子の座面に置く。

食事を終えて帰るときは、ナプキンを軽めにたたんでテーブルの上に置く。「きちんとたたむと食事に満足していないというサインになる」(山口さん)

食前酒でフローズンカクテルなどを頼むと、ストローが2本出てくることがある。この場合は「1本で飲むほうが美しく見える」(井垣さん)。もう1本は果肉や氷でストローが詰まったときなどの予備で用意されることが多いようだ。

(坂下曜子)

[日経プラスワン2014年1月18日付]