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エコノ探偵団

社員旅行に運動会 企業の親睦行事、なぜ復活?

2014/1/14 日本経済新聞 プラスワン

 「社長が新年挨拶で、今年はスポーツ大会を開くと宣言しました」。近所の会社員の話に興味を持った探偵、松田章司は「新年会で同窓生が会社の運動会に出た話をしていたぞ。社内行事が復活しているのかな?」と、早速調査に出かけた。

■多様な従業員に一体感

 章司はまず民間シンクタンクの産労総合研究所(東京都千代田区)が3千社を対象に実施している調査を見つけた。余暇・レク行事の実施割合は2000年代前半に減少傾向にあったが、09年には85%程度と、1990年代半ばの水準に戻りつつある。

 章司はここ数年の傾向を聞こうと、JTBグループの人事コンサルティング会社、JTBモチベーションズ(同港区)を訪ねた。同社のワーク・モチベーション研究所所長の菊入みゆきさん(53)は「金融危機や東日本大震災で社内行事の開催を縮小する企業もありましたが、最近盛り返しています」と指摘。「経営者側は仕事への好影響を期待しており、実際に参加社員からも効果があったとの声が挙がっています」と菊入さん。

 「なぜ今見直されているのだろうか」。章司は、昨年11月に初めて労使共催でスポーツイベントを開いたKDDIを訪ねた。総務・人事本部長の村本伸一さん(53)は「社員の意識調査を見ると、経営への信頼や仕事に対する誇りはあるのに、会社の一体感や仲間意識が低く、何とかしたいと考えていました」と話す。同社は合併で会社の規模が大きくなる一方、メール文化が広がり、社員同士が直接顔を合わせるコミュニケーションが減っていたという。

 関東圏の社員を中心に参加を呼びかけ、栃木県の自社の敷地に社員やその家族、約1500人が集まった。綱引き、大玉送りなどを実施。地域や部署別駅伝リレーには、会社の費用負担で全国から選抜社員らが集まった。「参加社員の95%から好反応が得られ、手応えを感じています。今後はより多くの人を巻き込むことや、不参加の人との温度差を縮めることが課題です」と村本さん。家族に職場での様子を知ってもらったり、同僚に家族と過ごす姿を見せたりして、家庭との相乗効果で仕事へのモチベーションを高める効果も期待する。

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