犬・猫が「自分撮り」も ペット撮影楽しむアプリ
「愛犬の写真を同じペット好きの人に褒めてもらえるのがうれしい」。都内在住の高橋澄枝さん(56)は自宅で飼う2匹の愛犬の写真をペット専用のSNS「パシャっとmyペット」に投稿している。
登録13万匹
SNS上にはイヌやネコ、ハムスター、爬虫(はちゅう)類まで約13万匹のペットが登録されており、飼い主が撮った写真が毎日4000~5000枚投稿される。サイバーエージェントがこのサービスを始めた2012年8月から約1年半で利用者の数は16万人を超えた。
「自分のペットを自慢できる場は意外と少ない。このアプリなら、飼い主が思う存分『親ばか』ぶりをアピールできる」。アプリ運営を統括する中出恵利花プロデューサーは人気が広がった理由をこう分析する。
利用者は互いの愛犬や愛猫の写真を共有し、気に入った写真には、米フェイスブックの「いいね!」にあたる「キュン」を送る。「私の愛犬に『キュン』を送ってくれた人に『キュン返し』してペット好きの輪を広げていくのも楽しい」と高橋さんは話す。
動き回るペットの写真をうまく撮るのはなかなか難しい。こっちを見てくれたと思ってシャッターを押しても、あっという間に別の方向を向いてしまっていい写真が撮れない――。そんな悩みを解決してくれるアプリが「撮る猫」だ。シャッターを押す前後数秒間の写真を表示し、その中からきれいに撮れた一枚を選ぶことができる。
アプリを起動すると自動的に撮影機能が働き、一定間隔で写真を撮り続ける仕組みになっている。画面中央のネコのイラストをタップすれば、ネコの鳴き声が鳴り、ペットの気を引くこともできる。
「疑似音」作戦に特化したアプリが「CatShot!」だ。イヌ、ネコ、セミの鳴き声や、掃除機の音など事前に選んだ効果音を鳴らしてペットの注意を引きながら、撮影ができる。自分のペットの好みに合わせた音を新たに録音して効果音として登録できる機能もある。埼玉県の女性(41)は「効果音も様々で、音の質もいい」と話す。町や公園で見かけた猫をかわいく撮るのにも使えそうだ。
犬や猫が「自分撮り」
少し変わった撮影方法を試したい方には「Snapcat」はどうだろうか。飼い主がペットを撮影するのではなく、ペットに「自分撮り」をしてもらうというアプリだ。
起動すると赤い点がスマホの画面上を動く。これをペットが触るとシャッターが自動的に降りる仕組みで、ペットにスマホを渡しておけば自動的に写真がたまる。ペットが爪を立てたりするとスマホ画面に傷が付く恐れもありそうだが、日ごろ飼い主に見せてくれない表情を撮ることができるかもしれない。
キヤノンマーケティングジャパンの「思い出ぽん!シリーズ」は、撮りためた写真を歌に合わせたスライドショーにできるアプリだ。伴奏される歌により、「おれ、ねこ」や「わが輩は、犬」など数種類がある。
もともと、NHK番組の中で視聴者のペットを紹介するコーナーで流れていた曲だった。人気が高まり、スマホのアプリとして出すことになったという。ほのぼのとした歌を聞きながらペットの写真を眺めることができる。
ペットの写真を楽しむ様々なアプリ。仲間を増やしたりペットの普段見せない表情を探ってみたり、目的に応じて活用してみてはどうだろうか。
(証券部 青木真咲)
[日本経済新聞夕刊2014年1月9日付]
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