茶席の作法、これだけ知っておけば安心

茶わんは出されたときに自分の方に向いているのが正面。絵柄があることも多い。亭主は正面を客に向けるが、客は茶わんを大切にするため正面を避けて飲む。「化粧などの油分が正面につき、汚れないように」との配慮だ。流派によって多少異なるが、2度に分けて茶わんを回す。

飲むのは3口半が理想だが、前後してもいい。飲み終わったら右手親指と人さし指で軽く飲み口を拭き、手は懐紙でぬぐう。茶わんは先ほどと反対に回して、正面を亭主側に戻して置く。

茶わん正面避けて飲む

お茶の心得でよくいわれる「一期一会」。今この時間、集う人との関係は二度と同じものはなく、かけがいのないものだという意味だ。「亭主のもてなしの心に対して、時間を気にするのは失礼にあたる」(八代さん)ため、着席前に時計は外すのが礼儀だ。

「時を忘れ、和敬清寂の精神を感じてほしい」(吉田さん)。五感で釜のシューッという音を聞き、香を楽しみ、道具を眺め、触って、菓子とお茶を味わう。教室に通う女性たちも「身が引き締まり、すがすがしい」などと話す。

茶席ではお道具拝見も作法の一つ。亭主は四季や歳時記、「平和」などのテーマで、道具を客に合わせて用意する。これを「しつらえ」という。

正式の茶席では客の代表の「正客(しょうきゃく)」が亭主の思いをくみ取って、しつらえの意味などを尋ねる。「知らないのは恥ではない。どんな茶わんで飲ませてくれているのか、掛物の文字は何と読むかなど尋ねてみてほしい」(八代さん)

(吉野真由美)

[日経プラスワン2013年12月21日付]