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エコノ探偵団

健康食品・サプリメント市場 「働く女性」がけん引

2013/12/17 日本経済新聞 プラスワン

 「昨日、健康食品売り場に行ったら、目当ての品が売り切れだったよ」。神田のご隠居、古石鉄之介の話に探偵、深津明日香が反応した。「やっぱり、お年寄りが増えているからなのかな」。早速、調査に乗り出した。

 最初に市場調査のインテージ(東京都千代田区)に向かった。同社は、日常生活で不足しがちな栄養素を補う粒やカプセル、粉末、液体、ゼリー状などの食品やサプリメントの売れ行きを調べている。2012年度の健康食品・サプリメントの市場規模は約1兆4700億円。購入額を年齢別にみると、男女ともに60代がトップで70代が続いた。

■潜在市場規模は現在の倍以上

 業界推計では、市場規模はここ数年、年3~5%程度ずつ拡大している。インテージによると、「これから購入したい」人を加えた「潜在市場規模」は現在の2倍以上。同社コンサルタントの見山公一さん(38)は「メーカーは複数の成分を入れた製品を発売するなど様々な工夫をしています。人口の高齢化が進む中で、市場規模はさらに拡大するでしょう」と予測する。

 「にらんだ通り高齢化が大きな原因なのね」。販売の現場を見るため、次に、化粧品や健康食品・サプリメントを取り扱うファンケルの直営店「銀座スクエア」(東京都中央区)に足を運んだ。

 明日香の目に飛び込んできたのは、午前11時の開店と同時に店内に突き進む女性たち。「シニア層も多いけど、若い女性の姿も目立つわ」。首をかしげる明日香に、同社ヘルスカンパニー商品企画部の渡辺理子さん(37)が説明した。美容と健康を気にする女性向け商品の売り上げは同社のサプリメント全体の約15%。例えば、ダイエット効果をうたう「カロリミット」は35~44歳の女性が主なターゲット。働く女性を中心に販売が好調という。

 次の訪問先は大塚製薬東京本部(東京都港区)。同社製品部の渡辺裕吾さん(41)も女性市場に注目している、と話した。11月に発売したサプリメント「ビタメルト」は水なしで口の中でとけ、ビタミンを手早く吸収できる。30代の働く女性向けに開発した商品だ。「全国のコンビニエンスストアで販売し、新たな健康習慣を提案していきます」

 「女性の方が男性より健康に気を配る傾向があります」。事務所に戻った明日香に、池田陽子さんが声をかけてきた。「薬膳アテンダント」を名乗る池田さんは、カルチャースクールなどで薬膳料理を使った健康法を伝授している。「特に熱心なのは働く女性。私自身もそうですが、忙しい女性が求めるのは、わかりやすさと手軽さです」

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