つい引き受けてしまう人に 角の立たない断り方
本心では断りたいのになぜか引き受けてしまう。こうした場合、心理カウンセラーの塚越友子さんによると「人間関係が壊れるのが怖い」「自分の価値が下がるのが怖い」という心理が働いている。
そのため「ゼロか100か」という極端な発想に陥り、断れないなら全部引き受けようとなりやすい。その結果、能力以上の仕事を抱えてうまくいかなくなるという。
「断れる人はある部分は断り、ある部分は受け入れるなど柔軟に考える。つまり交渉している」と塚越さん。例えば飲み会の誘いには「最初の30分だけ顔を出すのでもいいですか」と答える。
塚越さんが勧めるのが「断りの公式」だ。「謝罪または感謝+理由+断り+代替案」を使うとよいという。例えば上司に仕事を頼まれたときは「申し訳ありません(謝罪)。頼んでいただいてありがたいのですが(感謝)、いまは案件AとBを抱えて時間の余裕がありません(理由)。ですから今は引き受けられません(断り)。しかし明日の午後は時間があります。それでいかがでしょうか(代替案)」という具合。代替案を示すことが交渉になる。
頼まれるとつい反射的に「分かりました」と答える人もいるかもしれない。即答は避け「延期の戦術」を使おう。「確認いたしますので、少々お待ちください」といったん保留にして、落ち着いて考えてから代替案を伝えよう。
自分で制御が難しい外的要因を理由にするという手もある。例えば「お金を貸して」と言う相手に「お金は妻が全部握っていて、僕の自由にならないんだ」と言えば角が立ちにくい。