つい引き受けてしまう人に 角の立たない断り方

断るときの表現も重要だ。一般的に依頼側は相手が受け入れてくれるか不安を感じたり、自分の言い分が正しいと思っていたりする。「断る理由が正当でもストレートに否定する言い方は避けよう」とビジネスマナー研修を手がけるマネジメントサポート(東京都港区)代表取締役の古谷治子さんは助言する。

最も避けたいのは「○○しないと、△△できません」という表現。例えば「上の者に確認しないと、はっきりしたことは言えません」と答えると、やる気がないように思われ相手の感情を逆なですることがある。

否定形は肯定形にして、やわらかい言葉使いにするのがコツだ。「上の者に確認して、ご連絡してもよろしいですか」と言えば前向きな印象になる。「できません」は「いたしかねます」や「できかねます」と言い換えるか「○○ならできます」と代替案を伝えるとよい。

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表現を和らげる効果がある「クッション言葉」も覚えておきたい。「申し訳ありませんが」「せっかくですが」「勝手を申して恐縮ですが」などの言葉を最初に付けると全体の印象が柔らかくなる。

相手の感情に配慮するあまり曖昧な言葉で濁すと誤解につながりかねないことも要注意だ。上司に都合を聞かれて「今のところ空いていますが、予定が入るかもしれません」と言うと「とりあえず大丈夫なんだな」と思われやすい。「また今度、お誘いくださいますか」「今回は残念ですが、次回は是非お供させてください」と断りの表現を入れるのが一案だ。

ただ多用は禁物。結局行かないことが続くと「あの人は誘っても来ない」「あの会社に頼んでも無駄」と信用を失う可能性もある。「遠回しに断る目安は2回まで」(古谷さん)。社内や取引先との関係の重要性に応じ柔軟に対応することを心がけよう。

(ライター  上田 真緒)

[日経プラスワン2013年12月7日付]

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