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息切れにサヨナラ 「呼吸を鍛える」肺周り筋トレ

2013/12/13 日本経済新聞 プラスワン

 ここ数年、記者(42)は駅の階段を上ると息が切れる。趣味で再開したフルートも学生時代ほど息が続かない。専門家から呼吸が浅いとの指摘を受けたこともあり、ふと「呼吸する力が衰えたのでは」と考えた。足腰のように呼吸も鍛えることができるのか、挑戦してみた。

 健康診断で肺に異常はない。たばこも吸わない。実験の最初に、東京医科大学呼吸器内科教授の瀬戸口靖弘さんを訪ねた。

 肺の機能の測定は「肺活量」を調べるのが基本だ。口で掃除機のノズルに似た装置をくわえ、鼻は専用のクリップで軽く挟む。

 まずは思い切り息を吸い、合図とともに息を普通のペースで吐ききる。これが一般に「肺活量」といわれるもの。吐いてと言われても体にうまく力が入らず、吐ききれない感じが残った。次に思い切り吸って、勢いよく一気に最後まで吐ききる。これは「努力性肺活量」と呼ぶ。

 健康なら両方はほぼ同じ数値になる。男性で3000~4000ミリリットル前後、女性で2000~3000ミリリットル前後だという。

 それぞれの肺活量は年齢と性別、身長から割り出される予測値があり、実測値が予測値の80%以上なら健康だ。記者は約89%と健康に問題はなかった。ただ「努力性肺活量で調べた際の1秒間で吐き出す数値は、予測値通りにあった方が望ましい」(瀬戸口さん)と指摘された。25歳くらいから加齢に伴い、毎年20ミリリットル程度減るという。

 瀬戸口さんらは病気の早期発見を目的に、iPad用のアプリ「COPDクリニック」を開発した。肺活量を入力すると「肺年齢」がわかる。記者は実年齢より14歳上の56歳と出た。

 ショック。鍛えて若返ることはできないかと尋ねると、肺の大きさは変えられないが、たばこを吸わないのに予測値より低い場合は「肺の動きを支える周囲の筋肉を鍛えて、改善できるはず」との助言を得た。

 呼吸をする際、息を吸うときは横隔膜を使う。肋骨の下の方にくっついており、下がると肺が膨らみ空気が入る。吐くときは腹直筋や腹斜筋といった腹筋群が活躍する。これらの筋肉を鍛えれば、呼吸する力を取り戻せる。では、どう鍛えればいいのだろう。

■マッサージで 胸郭の動きよく

 高齢者の呼吸訓練に詳しい浜松市リハビリテーション病院長の藤島一郎さんは「呼吸筋と肺を包み込む胸郭を柔軟にすることが有効。高齢者には吐くことを意識した呼吸を訓練するよう勧めている」と話す。

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