温度や湿度など室内環境を整えたら、次は着る物に気を配る。寝具開発のアドバイスを手掛ける快眠セラピストの三橋美穂さんは「足やおなか周りを重点的に温めることが有効」とアドバイスする。体の冷えやすい部分を温めれば、布団や寝間着などを厚くしなくてもよくなり、寝返りしやすく、快適に眠れる。

足には足首やふくらはぎまで覆うことができるレッグウオーマーがお勧め。足の指先まで覆い締め付けの強い厚手の靴下は湿気がこもり冷えの原因になることもある。

おなかには腹巻き。寝返りをしても外れず、寝冷えによる下痢などの予防にも役立つ。手先が冷える人には薄手の手袋や手首を包むアームカバーなどもよい。特に冷えが気になる場合は湯たんぽが役立つ。「最初におなか付近に置いて、寝入る前に足元に移すと2度温かい」(三橋さん)

寝間着は肌触りが良く吸湿性の優れた綿やシルク素材を選ぶ。フリース地は温かいが、布団カバーやシーツで起毛素材などを選んだ場合は摩擦が大きく、寝返りがしづらかったりベッドから布団がずり落ちる原因になったりする。綿の寝間着の下に肌着を1枚着るなどした方がよいだろう。

■入浴で代謝向上

寝室に入る前の過ごし方も良い睡眠には重要。ポイントは体の代謝を良くし、リラックスすることだ。

お風呂には、15~20分間40度の湯船につかり、寝る1時間前にあがると、体がじんわり温かい状態で布団に入れる。入浴中に額から汗がにじみ出れば、十分に代謝が良くなっている証しだ。炭酸入浴剤を入れれば血行促進に効果がある。シャワーだけで済ます日でも、足湯を5~10分すれば体は温まる。

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規則正しい朝食も有効