赤ちゃんの写真、家族だけで共有 アプリで手軽に
事前にID登録などが必要だが、使い方は簡単だ。スマホで子供の写真を撮影し、アプリを起動して見せたい写真を撮影した写真の中から選びアップロードするだけ。受け取る側は同じアプリを入れていれば写真を見ることができる。
特定の人にだけ
「アプリを通じて、兵庫県に暮らす母や仕事の終わる時間が遅い夫とつながっています」と話すのは千葉県に住む女性(37)。9歳の娘と5歳の息子の様子をほぼ毎日アップしているという。この女性のように、子供の母親が登録し、離れた両親や夫と共有するケースが多いようだ。
フェイスブックなど一般的なSNSでも写真は共有できる。それらと何が違うのか。一般的なSNSはどの範囲まで写真が公開されているか初心者には分かりにくい。設定を間違うと、あまり親しくない人にも写真を見られてしまう恐れもある。専用アプリなら難しい設定をせずに特定の人にだけ見せることができる。
家族に見せるにはまずメールアドレス・パスワードの登録と、写真を見せたい人に登録URLが書いてある招待メールを送る必要がある。離れた両親など受け取った相手は、そのURLから自分のメールアドレスとパスワードを登録すれば、写真を見ることができる。
様々なアプリが出ているが、こうした登録手順はほぼ同じだ。ウェルスタイル(東京・渋谷)の「ウェルノート」やディップの「まごラブ」、オロ(東京・目黒)の「nicori」がこの方式だ。ヤフーの「kazoc」はヤフーIDとパスワードを使う。Compath Me(東京・台東)の「KiDDY」は最初の利用者が登録したメールアドレスとパスワードを家族もそのまま使う。
1日にアップロードできる写真枚数はアプリによって違いがある。KiDDYは1日5枚までの上限を設けているが、他は無制限だ。またkazocは合計1000枚までの制限があり、月額300円を払えば、5000枚を追加できる。静止画だけでなく、nicoriには31日間400円の有料オプションとして動画をアップロードできる機能がある。
様々な付加機能
付加機能もアプリによって異なる。かわいい写真を見ると感想を書きたくなる。ウェルノートとkazoc、nicoriは写真を見た人がコメントをつけることができる。
まごラブは「やりとりが煩わしくならないように」という理由でコメント機能は付けていないが、代わりに写真にハート形のスタンプを押せる。「いい写真だね。見たよ」という意思表示だ。文字入力に慣れない年配者などはこちらの方が利用しやすいかもしれない。
kazocやウェルノートは親が子供の成長記録を付けられるようになっており、身長や体重などを入力してグラフ上に表示できる。さらにウェルノートは離れた両親の状況を知るために、大人の身長や体重、血圧、血糖値を入力して共有する機能もある。
アプリ上のやり取りだけではない。いくつかのアプリは、アップロードした画像を写真プリントやポストカード、フォトアルバムに仕上げて送ってくれる有料サービスを提供している。KiDDYは11月中旬から年賀状作成サービスを始める。アプリに登録している写真と年賀状レイアウトのひな型を選ぶと、自宅に届けてくれる。
今回紹介したアプリは基本機能を使うだけならどれも無料だ。アプリによって使い勝手は微妙に異なる。夫婦や離れた両親でアプリを試して、自分たちに合ったものを選ぶのもいいだろう。
(電子報道部 松浦龍夫)
[日本経済新聞夕刊2013年11月7日付]
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